・・・・・・・っということで、アンリ・ルソー(1844〜1910)という画家をご存知ですよね。
最近になってこの画家のスゴさにようやく気づきました。
彼の自画像です。
ああ、この画家ね・・・ってだれもが気付きますよね。
↓この絵は、美術の教科書にも載っていましたね。
↓これは比較的初期の作品で、この後ジャングルをモチーフにした絵をたくさん描きました。
ある兵士から聞いた話からインスピレーションを得、パリ万博で見たアフリカの熱帯植物を元に想像を膨らまして描いたものです。
自分が経験したものでは全くありません。
ジャングルに住む虎が突然の雷鳴に驚いています。
見ようによっては、全くふざけた絵です。
ここで着目しなければならないのは、ずべて心の中で組み立てた絵である点でしょう。
彼の生きた時代は、ちょうど印象派の全盛でした。
パリで市の下級税関職員であった彼は、印象派画家たちと交流を持っていました。
しかし、印象派の影響は全く受けていないようです。
美術学校に行かず、ルーブル美術館で模写をして独学で絵の技法を学びました。
印象派の絵は「色彩」に重点が置かれていたとぼくは思います。
見たものを写実的に描くのではなく、いちど心の目をフィルターに通したのがその特徴でしょう。
しかし、ルソーの絵は100%心の中だけで組み立てた絵なのです。
ですから、絵は平面的で非現実的です。
しかし、細部は実に緻密です。
こんな新しい絵は誰も見たことのないものでした。
ですから、彼が生きている間はなかなか評価されませんでした。
その後のフォービズムやキュビズムに大きな影響を与えました。
ピカソが彼を高く評価したのは当然と言えるでしょう。
↓「戦争」というタイトルです。
黒を基調にして死のイメージを与えますが、ぼくは彼がそれほど「計算」したとは思えません。
まるで小学生の無邪気さで、心に生じた印象をそのまま視覚化したのではないかと想像します。
ぼくは以前から、この世界は「バーチャル」だと言い続けています。
目で見たもの、真実と思われるのは、全て脳の中でバーチャル化されたもの。
そのバーチャルな世界で人間は生きているのです。
自画像→砂漠→ジャングル→戦争
彼の絵は、それを裏付けるとしか見えないのです。
・・・・・・・
もちろん彼は自分の絵の価値に気付いていたはずです。
だからこそ、めげずに各種の展覧会に出展し続けたのです。
画家として独立したのは49歳という遅さだったそうです。
66歳で亡くなるまで、生活は苦しかったようです。
そのため多くの作品が絵というより、キャンバスの再利用として売られたそうです。
ゴミ箱から見つかった作品もあるそうです。




