・・・・・・・っということで、歴史に多少興味がある者なら、疑問に思うこと。
それは、治療方法です。
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洋の東西を問わず、鉄器は戦いの様相を一変しました。
鉄は敵を斬り殺せるのです。
石器や青銅製の武器は、鉄器ほど効果的に相手を倒すことは出来ません。
鉄製の武器は、それまでの武器より「軽くて鋭利」であったため、少ない力で相手を無力化できたのです。
・・・っということは、戦いによる死亡原因は刀傷による出血死だったのです。
映画やドラマで刀剣による戦いが描かれますが、その悲惨さは銃器の戦さとは比較にならなかったことでしょう。
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戦国時代に、治療法が発達していなかったはずがありません。
そんな疑問を持ちながら調べていたら「金創医(きんそうい)」の存在に行き当たりました。
金創医とは、戦国時代に刀・槍・弓矢・鉄砲等による負傷者の創傷治療を専門とする外科医のことです。
戦国武将たちは、この金創医を戦いの時に同行させていたのです。
金創医は主に僧侶が担っていました。
西洋では、外傷を縫うことをしましたが、日本はニカワを塗った紙を貼り付ける方法をとったそうです。
西洋では縫う以外に傷口を焼く方法もありましたが、麻酔のない時代、その過酷さは想像を絶するものがあります。
日本の戦士たちは、苦しむ姿を晒すより、死を選ぶ傾向が強かったそうです。
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日本人は温泉が大好きな民族です。
テルマエロマエで描かれたように、イタリア人も同じです。
ローマ軍団の駐屯地のほとんどに温泉が湧きます。
長い行軍のあと、温泉に飛び込む姿を想像するのは微笑ましいですね。
温泉はそういった「疲労回復」効果に注意が向きますが、「治癒効果」があるとされています。
では、温泉が傷を癒す効果があるのでしょうか?
体が温まることによって血行が良くなります。
血行が良くなると、酸素や栄養を効率よく身体中に循環させることができます。
その結果、体が持つ「自然治癒力」を高められるのです。
切り傷以外にも、骨折、打撲による筋肉の凝りをほぐす効果があるのは理解できます。
でも、外傷そのものには効果がないんじゃないかな?
ある程度傷が治って、療養する期間が温泉によって短くなるのじゃないでしょうか。
戦国時代の負傷者たちも、ローマ軍の負傷者たちも、温泉に浸かって回復していたと思うと面白いですね。