・・・・・・・っということで、日本映画にハマりかけています。
なかなかの野心作であります。
男が「オマエを守れるのはオレだけだ」というセリフ。
結婚すれば幸せになれるという男の浅い考え。
市子の本質は優しい子なんだけど、怪物に育っていく。
その怪物に育っていく過程を、時間を前後しながら丁寧に描いていく。
その人生において、関わる男と女たち。
だけど、その皆んなが市子の本質を捉えきれていない。
市子はそれを逆に利用するまで歪んでいってしまう。
そんなストーリーなのですが、途中から飽きてしまうのです。
まず、テンポが悪い。(悪すぎる。)
主人公の前髪が鬱陶しいのは仕方ないにしても、ディーテイルの詰めが甘いのが気になってしまうのです。
幸せな家庭が妹の重病によって崩壊するのは分かるのですが、その描写が手抜きなのです。
そして、無戸籍になるのですが、どうして??(生まれる前に離婚してしまうとそうなるらしいが。)
優しい母親が堕落しすぎ。
父親はどうなったの?
母親の再婚相手を殺すんだけど、殺すまでの動機がアッサリしすぎ。
最後に偽装殺人をするのだけど、どうやって殺したの?
たぶんぼくが見落としただけでしょうが、肝心なポイントがチグハグなままだと、単に自己陶酔の映画と見られてしまう。
物語の中で、主人公は人々の思い入れをことごとく裏切っていくんだけど、見ている観客も裏切られていることに最後に気づく仕掛け。
野心的な作品なのに、もったいない。
★★★☆☆