・・・・・・・っということで、買い物に出かけようとしたら、オーナーがニュ〜っと現れた。
コイツは気配がないのに、突然現れる。
家の中はどこも節電で、薄暗い。
身分証明書を出してくれと言うから、パスポートを渡した。
何やらパソコンをいじっているが、なかなか進まない。
ぼくは立ったまま待っている。
そのうちに独り言を言い出したと思ったら、イヤフォンで誰かと電話している。
こんな陰気なヤツに話し相手がいるのか?
大犬のイーゴルがまたぼくの足に抱きついて、腰を振ろうとする。
オーナーの前で蹴飛ばすわけにもいかず、手で引き離そうと格闘する。
このヤロウ!とどやしつけたら、オーナーが嗜める。
よく見ると、この犬、目つきが変だ。
口の周りも血のように赤い。
白黒の犬なのだが、毛並みが薄汚れていて、一度も手入れされていないようだ。
犬は飼い主に似ると言うが、この犬も頭がおかしいのだろう。
待てど暮らせどパソコンが繋がらない。
普通、こういう時は椅子を勧めるものだろう。
自分は主人で客は家来だと思っているらしい。
埒が開かないので、台所を見たり、庭に出たり移動するが、またイゴールがついてきて、足に抱きつこうとする。
今度こそ蹴飛ばして痛い目に合わせようとするが、何しろでかい図体で目が狂気を含んでいる。
エエイ畜生!!と叫んだらまた室内からオーナーがイゴールと嗜める。
この犬、いつも客にこういう行動をするのだろう。
普通、宿泊施設に犬とか猫とかいたら可愛いと和むものだけど、この犬は逆だ。
そういえば、他の人もコメントで薄汚い犬と書いてあったのを思い出した。
いつまでも待たせるので、イライラが募る。
ようやく手続きが終了したらしく、パスポートを返してくれる。
すると、CITY TAXが4×3=12ユーロと洗濯代の8ユーロをよこせと言う。
(昨日洗おうとしたら、洗濯機は客に触らせず、自分でするから8ユーロだとのこと。)
そんなのは最初から分かっていたので、20ユーロを現金で支払う。
そこで、洗濯物はいつ受け取れるのかと聞く。
今日は天気が悪かったので、まだ乾かないと言う。
ウソ言うな、雨は早朝降っただけで、日中は十分乾く晴天だった。
オレは着るものがないから、明日は必ず渡せと言うと、分かったと言う。
そこで、腹が立ったので難題をふっかけた。
20ユーロの領収書をよこせと要求したのだ。
CITY TAXなんかデタラメで、自分の懐に入れる気なのはお見通しだ。
ずいぶん待たされたので、意地悪をした。
予想通り、わからないふりをして、内訳を繰り返した。
そんなことは分かっているから、20ユーロ渡したんだろう。
手書きメモでいいから、受け取った証拠を渡せと迫る。
後から揉めるのが嫌だからだと理由を言う。
するとまた内容を説明し始めるから、金を受け取ったなら領収書を出すのは当たり前だろうと、つい大声になった。
すると、ああReceptねと言って、ノートに殴り書きしたものを渡してくれた。
最初から分かっているんじゃねぇ〜か。
常に客に対して上から目線の態度を取るヤツが、意外そうな視線を向けてきた。
気狂いを怒らせると怖いから、オレは怒ってなんかいない、言葉の通じない者同士のコミュニケーションは難しいねと、一応フォローはしておいたけどね。
チェックインして2日目だけど、ぼく以外の客はまだいない。