映画【イニシェリン島の精霊】 | so what(だから何なんだ)

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人生のバックパッカーのブログです。
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そんなお年頃。
68カ国で止まったまま先に進みません。(;^_^A

・・・・・・・っということで、かなりブラックな映画です。

 

 

コリン・ファレルはヒーローっぽい役より、こういう冴えない男の方が適役だと思う。

 

何たって、あの(ジョボい)風貌ですからね。^m^

 

アイルランドにある架空の小島が舞台です。

 

もちろん、現実社会の縮図を表しています。

 

相手役はブレンダン・グリーソンで、そんな退屈な社会で人生を終えてしまうことに疑問を持ちます。

 

人生は死ぬまでの暇つぶし」​​​​​​​じゃないかと気付いてしまったのです。

 

ならば、残りの人生有意義に生きようじゃないか。

 

つまらない人間と調子を合わせて生きるのは無駄だ。

 

彼の場合、バイオリンで作曲することに没頭します。

 

(尤も、それほど音楽の才能はないのですが。)

 

つまらない人間の代表役をコリン・ファレルが一手に引き受けます。

 

この映画はブラックコメディーに分類されるそうですが、ファレルの徹底した鈍感さを笑えればこの映画のテーマを理解できるでしょう。

 

ファレルの妹役のケリー・コンドン​​​​​​​は才女ですので、グリーソンよりずっと先にこの社会のダメさ加減に気付いています。

 

そういう意味で、男性より女性の方が冷静に社会を見ているのです。

 

ファレルはなぜ突然親友だったグリーソンから絶交を突きつけられるのか、サッパリ理解できません。

 

彼の人生の拠り所は、自分が「善人」であること。

 

これが全てです。

 

それこそがファレル(島民)が嫌われる理由なのに、全く気づかない。

 

島民は醜い本性を隠すために、善人の仮面を被っているに過ぎないのです。

 

・・・・・・・

 

映画全体を「死」の雰囲気が覆っています。

 

それを暗示させるのが(魔女のような)老女なんですが、あまり効果を発揮していないのが残念です。

 

動物(ドンキー、犬や馬)を実に上手く使っています。

 

あと、精神薄弱な青年を演じたバリー・コーガン​​​​​​​はいいですね。

 

アイルランドの映画には必ずと言っていいほど出演していて、強い印象を残します。

 

鑑賞後は不快な印象が残りますので、ブラックを楽しめる人向きですね。

 

★★★★★

 

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