・・・・・・・っということで、思いがけず拾いものの映画です。
夫を殺した麻薬の元締めに復讐するというストーリーですから、よくある女性のアクションモノを予想しますが、良い意味で期待を裏切られます。
あくまでリアルに徹した、スリラー色が強い物語です。
最初っから最後まで、主役の女性にカメラは張り付いています。
どう見てもアクションが似合わないひ弱な女優ですが、肉体的にも精神的にも弱いところを隠さずに役作りしています。
その点で荒唐無稽にならずに済み、説得力のある作品に仕上がっています。
原題の【A Good Woman Is Hard to Find】通りで、最後になってその真価を発揮します。
イギリス映画らしく、ストーリー仕立てはきちんとしています。
物語のスケールは実に小さく、登場人物はみんな裏社会に生きる小粒な人間ばかりです。
ですから、復讐した後に生じるカタルシス感は少ないです。
それよりも、イギリス社会が持つ独特の「他人に対する意地悪さ」がよく描けています。
イギリス社会を生きるには、タフじゃなけらばならない。
★★★★☆