・・・・・・・っということで、拾い物の映画に当たりました。
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督ですから、期待を裏切りません。
何という酷い邦題かと思ったら、元になった戯曲が【焼け焦げるたましい】ですから、文句は言えません。
ちなみに原題は【Fires:火:砲火:火事】です。
ヴィルヌーヴ監督の特徴は、対象を直接的に描くことが極端に少なく、周りの情景を丹念に描くことでストーリーを浮かび上がらせていく手法を取ることです。
セリフは極力最小限に留めています。
したがって、俳優たちの表現力が最大限に求められます。
主演の母親を演じた女優が素晴らしい。
時間を前後するので、何人かの俳優が演じたのかと思ったら、全部一人で演じ分けていました。
背景はレバノンで起きたキリスト教マロン派とイスラム教徒による内戦です。
男女の双子兄弟が、母親の遺言に従って、彼らの兄と父親を探す過程で、母親の驚愕の人生を知ることになります。
もちろん殺し合うこと、憎み合うことの虚しさを訴えるのがテーマです。
131分もの長さですが、凝った展開ですので眼が離せません。
ぼくの中では、今年ベストワンの映画です。^m^
★★★★★