・・・・・・・っということで、あまり詳しく書けないのですが、かつてパイロット養成の仕事に関わっていたことがあります。
教官のほとんどは、元自衛隊のパイロットで構成されていました。
ぼくは、一部の教育を担当していましたが、メインは生徒の募集です。
安定的に訓練生を確保するには、相当な営業努力が必要でした。
当時はバブルだったこともあり、結構な数の男女がパイロットになりたいと門を叩いてくれました。
しかし、パイロットとしての「適正」がある者(プラス資金力も)は少ないのです。
それでも商売ですから、なるべく多くの学生を確保しなければなりません。
面接しただけで、こりゃアカンと思われる者も多くいたのはご想像の通りです。
しかし、安定的な経営をするためには「適正のある者」に入校してもらわなければ困るのです。
そこで、ぼくは官公庁の航空隊に営業をかけ、訓練を委託してくれるようお願いしました。
官公庁は、隊員をゼロから教育してパイロットにするメリットを十分知っていたからです。
官公庁の航空隊といえば大体わかりますよね。
自慢なのは、ぼくが営業して取った多くがパイロットとして、日本の上空を飛んでいることです。
いまではベテランパイロットでしょう。^m^
・・・・・・・
そんな中、苦い思い出があります。
ある航空隊に足繁く通って、ようやく隊員の中から1名の訓練を受注しました。
ところが、我が教官たちはこの訓練生を「適性なし」と判断して、送り返してしまったのです。
ちょうど、朝ドラ「舞いあがれ」の水島訓練生と同じですね。
官公庁のパイロットだからこそ、適性のない学生をふるい落とすのは理屈に合っています。
しかし、ぼくの立場からすれば「ナンだよぉ〜」となります。
一般から募集したボンクラ学生だって、ちゃんと免許を取得させているではないか。
官公庁の隊員の中から選抜された者が、ボンクラであるはずじゃないですか。
選抜した航空隊だって、優秀と思われるものを選抜したのでしょう。
それを、「ハイ、この訓練生には適性がないので、これ以上訓練しても(税金の)ムダです」と突き返していいものでしょうか。
絶対に納得できませんよ。
・・・・・・・
これにはウラがあると睨んでいます。
パイロットというのはとてつもなくプライドの高い人種なのです。
だれでも「オレが一番操縦が上手い」と信じているのです。
訓練を断った自衛隊の教官たちには、こういうプライドが働いたのではないか。
同じ官公庁でも、自衛隊のパイロットの方が上だと考えていたのではないか。
オレたちはもっと厳しい選抜を潜ってパイロットになったという自負があったのではないか。
それを見せつけるために、訓練生に「不適格」として落第させたのではないか。
・・・と、ぼくは今でも疑っているのです。
大河内教官は。「適性のない学生を落とすのが私の仕事だ」と格好の良いことを言います。
しかし、これにはちょっと疑問を感じます。
パイロット免許取得には、明確で公平な合格基準が航空法で規定されています。
教官は、その基準を満たす訓練をすればいい。
試験管は、規定に厳格にしたがって合格させればいい。
「適正」という得体の知れないものを、拡大解釈しすぎているのではないか?
言い換えれば、「オレが法律だ」と勘違いしているのではないか?
ねえ、大河内教官。