・・・・・・・っということで、久しぶりに映画を観たって気分です。
ハンガリー映画です。
アメリカ資本の映画にウンザリしているところで観たので、特に心に響きます。
監督も出演者も全く知りませんが、レベルの高さには圧倒されます。
映像の美しさ、会話を極力少なくした心理描写、ダレない緊張感・・・全てにおいてハイレベルです。
大袈裟だけど、今見るべき映画でしょう。
あれっ?・・・ちょっと褒めすぎ?(;^_^A
・・・・・・・
御伽噺です。
当然子供向けではなく、相当人生の経験を積んだ大人向けの御伽噺です。
女優がいい。
無名の新人なんだけど、表情の演技力が素晴らしい。
アヒル口をして広末涼子そっくり。
男優も歳取りすぎですが、すっげぇ〜上手い。
・・・・・・・
光で始まり、光で終わります。
その光の意味は?
女性がアスペルガー症候群であることが途中で分かってきます。
アスペルガーであるため、社会に馴染めずに大人になっています。
彼女の象徴するところは「ピュアー(純粋)」でしょう。
相手の心を読むことが得意なのに、自分の心が理解できない。
もう老齢に達しようとする上司に、恋愛心を抱いてしまいます。
それが恋であることを一生懸命理解しようとします。
一方男性は左手が麻痺した障害者です。
離婚の経験があるし、年齢が年齢だけに、もう恋愛は不可能と自分を納得させようとしています。
男は人生経験が豊富ですが、人間と仕事に疲れきっている。
そんな男が、若い女性に一目惚れします。
なぜ惚れたのか?
彼女の中にピュアーを見つけたからです。
男は気づきませんが、自分の中に残っているピュアーさが彼女のと同期したのです。
・・・・・・・
ピュアーを失くしてしまった現代だからこそ、今見るべき映画なんです。
ちょっと解説しすぎましたが、文句なしの星5つです。
★★★★★