・・・・・・・っということで、原題は【All is True】で、この映画のキーワードです。
イギリスが作るシェイクスピア映画ですから、手抜きは許されません。
シェイクスピアがグローブ座の焼失により筆を折り、生まれ故郷のストラットフォード・アポン・エイボンに里帰りして、余生を送るという物語。
ナンだ、定年退職者の退屈なお話かと思うでしょうが、それがそれがなかなか緊張感がある物語で、101分があっという間に過ぎてしまいます。
流石イギリス、シェイクスピア通の厳しい鑑賞にも耐えられるように作られています。
シェイクスピアが地元の領主に「オタクの鹿は盗んでいないからね」・・・なんてセリフは、よほどのシェイクスピア通でなければ意味不明でしょうね。^m^
シェイクスピア自身が謎に包まれた人ですが、真実に基づいた考察で正確に描かれています。
そういう意味では、「True」ですね。
しかし、実に大胆な解釈を加えていて、ある意味サスペンスと言っていいくらい。
シェイクスピアは生前から成功を収め、高い名声を得た人物です。
故郷から姿を眩まし、ロンドンで大成功を収め、大金持ちになって帰ってくる。
人も羨む人生で、悠々自適の生活を遅れるはずでした。
本人もそう思って凱旋気分だったことでしょう。
ところが、人生そんなに甘くない。
そこに待っていたのは、彼が放置したままにしていた家族。
最愛の一人息子が11歳で亡くなってしまい、後継がいない。
年上の妻。
二人の娘。
長女は医者と結婚し、娘がいるものの、亭主は梅毒にかかっていて息子ができない。
次女は、行き遅れでヒステリー気味。
そんな中、シェイクスピアは死んだ息子を偲んで庭作りを始めます。
いくら人生を深く描く才能があっても、庭仕事はさっぱり捗らない。
膨大な遺産をどう配分するかで頭を悩ませる。
空想の世界で生きてきた人間にとって、現実はなんと悩ましいことか。
そう、これは人生の物語なのです。
全編研ぎ澄まされたセリフで構成され、シェイクスピアならこういうことを言うだろうなと不自然さを感じさせません。
ケネス・ブラナーが主演・監督・製作を務め、深い理解があるからこそ大胆な解釈が加えられたと言えるでしょう。
作家志望の青年が彼を訪ねてきて、どうしてあなたは何でも知っているのかと質問させます。
それに対して、「考察力を極めて深いところまで本質を理解すれば、想像しただけのものでも真実(All is True)になるのだ」(意訳)と答えさせるのです。
まさに、プラナーが映画でやって見せたことをシェイクスピアの口を借りて語らせているのです。
どうです?なかなかイギリス独特のウィットが効いているでしょう?(^^)/
意外だったのが、シェイクスピアのパトロンだったサザンプトン伯の役割。
どうみても、ラブレターとしか言えないソネットを暗唱し合うのです。
調べてみると、シェイクスピアは同性愛者だったという疑いがあるのです。
文句無しに面白い映画ですので、オススメします。
★★★★★