・・・・・・・っということで、あの「異邦人」「ペスト」で知られるカミュの遺作の映画化です。
遺作といっても未完のまま、本人は交通事故死しています。
彼の死後30年も経って小説が発表され、さらに生誕100年記念で今回の映画化です。
ですから、映画も未完のままです。
未完成交響曲と同じで、作品として纏まっていなくとも、断片だけでも感動を与えてくれます。
いや、未完のままであることが却って、さまざまな感情を引き起こして味わい深いものになります。
映画も起承転結しておらず、えっ?ここで終わるの?・・・という具合に観客は放り出されます。
フランス映画ですが、歴史を知らないと解釈不能になります。
1830年、フランスはモロッコやアルジェリア、チュニジア等を植民地化します。
いわゆるフランス革命の押し売りですね。
第一次世界大戦後、自主独立の機運が高まり、フランス人とアラブ人の間で摩擦が起き始めます。
映画の舞台は、ちょうどこの時代、アルジェリアで生まれ育った主人公(カミュ)が高名な作家となって帰郷する場面から始まります。
小学校時代の回想を中心に、最初に移民として入植してきたフランス一家の葛藤を、現地人との交流と対立を描いていきます。
移民ですので、フランス人といっても超貧乏人です。
作家は雲行きが怪しくなるなか、自分の名声を利用してアラブ人との融和を図ろうとします。
しかし・・・。
第二次世界大戦後のアルジェリア戦争を経て、アルジェリアの独立が認められたのは1962年でした。
カミュが死んだのが1960年ですから、彼はアルジェリアの独立を見届けないまま亡くなったことになります。
異民族同士が融和することの難しさ、お互い尊敬しあっていてさえ血が流れることの空しさを感じざるを得ません。
★★★★☆