・・・・・・・っということで、むかしむかし、少年は母親のすすり泣く声で目を覚ましました。
薄暗い中、母親の後ろ姿が見えました。
母親は、お婆ちゃんが寝ている布団を前にペタンと座って泣いていたのです。
振り返った母親は、お婆ちゃんが死んじゃったんだよと言いました。
少年は、「おバアちゃんが死んじゃった」と言ってワァ~っと泣き出しました。
それはウソ泣きでした。
とっても優しいお婆ちゃんで、大好きだったけれど、この場面は泣かなくちゃいけないと思ったからです。
少年は、布団をかぶってしばらくは泣き真似を続けましたが、そのうち寝てしまいました。
もう60年も前の出来事でしたが、もう老人になった元少年は、いまでもそんな真似をした自分を軽蔑しています。