・・・・・・・っということで、トランプは敗北を認めないだろうというのが大方の見方です。
彼の性質だと、法廷闘争に持ち込んで最後まで抵抗するでしょう。
そうすることが、アメリカ社会の分断をさらに深刻化させようともお構いなしでしょう。
分断こそ、彼が進めてきた政策なのですから。
それに対し、民主党が採る手は「外堀を埋める」という戦略しかありません。
全部の票が開票されるまで待てと言っていたバイデンが、勝利宣言をしたのは正しい判断です。
このきっかけを待っていましたとばかりに、各国が祝電を打ったのも、外堀を埋めるのに大きく役立つでしょう。
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得票の上では、トランプが獲得した7,000万票(バイデン7,500万票)は、無視できないと分析する人たちがいます。
国民の半分がトランプを支持していることになります。
果たしてそんなにトランプ派がいるの?というのがぼくの感想です。
そんなに多いのなら、彼らが暴動に走る可能性はとても高いと感じるでしょう。
トランプは遠慮なく、彼らを扇動するでしょう。
マスコミは、そういうイメージを植え付けて来ましたから。
確かにトランプにはとても熱量が高い岩盤支持層というのがあって、その中には武装して粗暴な行動をする連中も含まれています。
しかし、トランプに投票した他人の殆どは「損得勘定」がベースにあるのではないでしょうか。
トランプの人格に問題があるのは承知のうえで、彼の政策が自分の得になることが最重要なのです。
決して彼のファン(信奉者)ではないのです。
そういう人たちは、ボスの力が失くなると見るやいなや、サッと潮が引くように離れていくのが常なのです。
例としては適切ではありませんが、イラクの民衆がそうでした。
フセインが大統領の時は、彼のために命を捧げてもいいような態度でしたが、分が悪くなると手のひら返しです。
語弊があるのを承知で言いますが、無学で貧しい人間ほどそういう傾向が強いのです。
彼側に付いていたインテリ層だって同じです。
早々と見切りをつけて、去っていくのです。
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ですから、アメリカ国内が内戦状態になる可能性はないと思っていいでしょう。
アメリカ人はドライな人種なのです。
もちろんトランプが育てた不満分子は、病巣のように残るでしょう。
バイデンはこの取り扱いを慎重にしなくてはならないのは勿論ですが、彼の勝利宣言を聞く限り十分承知しているようです。
来年1月20日の就任式まで、抵抗するトランプが滑稽に見えるように、外堀を徐々に埋めていくことです。
本日を境に、トランプ氏はもう過去の人になったのです。
ですから、アメリカが無秩序になる可能性について、ぼくはあまり心配していません。