・・・・・・・っということで、映画【ジョジョ・ラビット】の感想は★1つ減でしたが、考えさせられることの多い映画です。
ネタバレはなるべくしないつもりですが、まだ観ていない人は読まない方が良いかも。(^^ゞ
最近、ドイツ軍側の視点で第二次世界大戦を描く映画が増えていませんか?
【ヒトラーの忘れ物(2016)】と【やさしい本泥棒(2013)】がぱっと浮かびます。
特に後者は名作ですので是非ご覧ください。
映画の中のドイツ軍といえば一方的に殺される側。
ドイツ軍=悪=やっつけるのはアタリマエ=気分爽快との刷り込みです。
アメリカは常に正義。
その点、TV番組の【コンバット】が果たした役割は大きいでしょう。
多少の変化はありましたが、75年もの間、ドイツ人はよく耐えてきたものだと感心します。
(日本人だって耐え続けています。)
ドイツ人だって大変だったんだよという声にも、ようやく耳を傾けられる時代になりました。
【やさしい本泥棒】では老人も戦場に送られます。
【ジョジョ・ラビット】では少年たちが勇んで出征する場面と傷付きボロボロになって帰ってくるシーンが出てきます。
見落とされ勝ちですが、間違って連れてこられた羊飼いの老人たちが、銃を持って祖国のために勇敢に戦います。
どこの国だって、祖国のために戦う人に善悪はありません。
主人公のジョジョは10歳の子供でガチガチのナチス信奉者です。
不思議なことに母親(スカーレット・ヨハンソン)は、そんな息子を嗜めるようなことをしません。
若者がよく陥るパターンだと見守るだけです。
母親はナチス嫌いなのにです。
しかし、ジョジョが手榴弾で重症を負って兵士になれないと分かると、とても嬉しそうに息子を抱き締めます。
これって、どこの国の親も同じでしょう。
子供たちを指導するドイツ軍将校役のサム・ロックウェルが良い。
若いときのゲイリー・オールドマンに雰囲気が似ている。
ドイツ軍の中にも常識を持った将校がいたのはアタリマエですが、軍人である以上、軍の方針に従わなくてはならない。
その葛藤を酒を飲むことでまぎらわしている。
むちゃくちゃな言動で笑わされるが、彼は優秀な軍人であることは観客は知っている。
これって、どこの国の軍人も同じでしょう。
脚本が実に緻密です。
★一個減点なのは、緻密過ぎて流れが淀みがちになるただ一点のみです。
靴紐、ナイフ、ダンス、蝶、手紙、リルケ、虎の顔、身分証明書・・・等の小道具(?)の扱いが実に細かい。
あと、背の高いゲシュタポが何でジョジョの家に踏み込んできたかについては、ピンと来なければなりません。
後の重要な展開に関係します。
このようにドイツ側の事情を執拗に(?)描くことによって、ドイツ軍=悪という単純な刷り込みからの解放を促している映画です。
只し、ユダヤからの批判を受けないように、相当な神経を使っていることは窺えます。
今思えば、流れが途中もたついたのは、そのせいかもね。