・・・・・・・っということで、シー・ジンピン(習近平)は野心の塊ですが、彼からそのようなギラギラしたものは伝わってきません。
どちらかというとボ~っとしていて、掴み所がありません。
彼を評価する人は、中国流の大人(たいじん)の印象を受けると言います。
こういう人物像は、欧米型リーダーには皆無であって、なかなか理解されません。
だから習近平Who?なのです。
ぼくは彼の性格を解くヒントは、彼の趣味が「囲碁とサッカー」であると睨んでいます。
どちらも【大局】を見る能力が求められます。
間違いなくシーはこの能力がずば抜けていると思われます。
【共産主義の枠組みの中での資本主義経済】を目指すことはとてつもなく困難な命題です。
彼が打ってきた手を見ると、実に理詰めであることが解ります。
既に触れた「大トラもハエも一緒にたたけ」という①汚職撲滅運動は、これなしには目標の達成不可能ですが、彼は鮮やかにやってのけたのです。
汚職の甘い汁を吸う大物を排除することは反発が強く、命がけの仕事です。
彼の示した勇気は、絶賛されるべきでしょう。
間違いなくこれを可能にしたのは、②軍の掌握です。
中学の時からの友人である、人民解放軍少将の劉衛平の人脈を大いに利用したものと想像できます。
既に触れたとおり、浙江省の第一書記長時代に国防動員委員会主任を兼任しているのです。
その後、中央軍事委員会弁公庁秘書や南京軍区国防動員委員会副主任などを務めていて、軍(人民解放軍)との太いパイプを持つ唯一の文官と言われています。
ご存じのとおり、中国軍は国民の軍隊ではなく、共産党に所属しています。
汚職撲滅運動で予想される反発を押さえるには、軍の力を背景に持たずには実行不可能です。
シー政権の軍備予算が青天井なのは、軍との裏取引がある証拠でしょう。
次に③人心の方向付け、④管理された自由、⑤独裁体制の足場固めと続いていきます。
・・・つづく。