・・・・・・・っということで、ぼくが新入社員だった頃、会社はクウェートで土木工事を受注しました。
得意分野だったので簡単に終わるはずだったのですが、大幅な工期延長と、多数の社員を投入するハメになって、大赤字を出して散々な目に遭いました。
当時を振り返って、あの時は会社を潰したと思ったヨと、社長がポツリと呟いたのが強く印象に残っています。
大赤字を出した原因は「地下埋設物(略して地下埋)」でした。
要するに地下埋とは、電線や通信ケーブル、水道管などを指します。
事前に地下埋のデータはクウェート政府から入手していたのですが、それがデタラメで、設計通りに埋まっていないのです。
元は砂漠だもん、掘って埋めてしまえば分かりませんよね。
重機で掘ってみたら、無いはずのケーブルや管を切断する事故が発生したのです。
修理する手間も大変ですが、切断によって影響を与える方面への補償金も膨大な額になってしまいます。
役所の許可や移設工事等で工期はどんどん延びるし、それによるペナルティーで、わが社は火だるまになってしまいました。
海外工事に慣れていなかったこともあり、契約時のチェックが甘かったんですね。
裁判を起こしましたが、敗訴しました。
・・・・・・・
何でそんな昔のことを思い出したかというと、この度の台風15号で、電柱が2,000本も折れてしまったからです。
停電の理由は電柱が折れたからだけでなく、倒木等で電線が切断されたからです。
復旧するまで、まだ2週間くらい掛かるそうです。
もしこれが電線類が地下埋であったら、こんな被害は出なかったのです。
日本の電柱地下化が進んでいないのは、工費にあるといいます。
ホントかよ~~?
1kmの工事費が、3.5億円するのだそうです。
ホントかよ~~?
いったいどんな工事を考えているんだ?
クウェート並みとは言わないけれど、溝を掘って埋めるだけだろう?
どんだけ上等な仕様を考えているんだ?
日本人だから計画書通りに施工するんだろう?
掘ってみたら無いはずの電線が出てきたなんかあり得ないだろう。
海外が出来ているのに、何で日本だけ出来ないんだ?
日本は過密だから工事が難しいって?
じゃあ、水道とかガス管はどうだ?
柔軟で軽い電線よりはるかに難しいじゃないか。
そして年がら年中工事してるじゃないか。
はっきり言って、行政の怠慢です。
電柱製造業者と電力会社の工事部門がつるんで、デタラメな説明をしているとしか考えられません。
電柱地中化は災害時や、事故、救急、消火のためだけが目的ではありません。
景観が一番の問題です。
電線が子供たちの美的感覚を蝕んでいるのです。
この悪影響に気付いている人は希です。
