【Carver's Dozen: Raymond Carver】
レイモンド・カーヴァー著
村上春樹訳
中公文庫1997年10月18日刊
つい村上春樹が訳していることに気が行ってしまうが、そんなことは関係なくイイ短編集だ。
まるで、カフカの作品のようだ。
現実を描いているのだけれど、不可解な人間の心理というか、心の動きを上手く描いている。
説明しようにも、説明しにくいそういう不可解な人間の心理を、上手く説明している。
アメリカらしいが、アメリカらしからぬ心理描写。
ウゥ~ン、こういうところに村上氏もハマったのだろう。
本人には気の毒だが、カーバーの方が数段上だ。
何が上って、作品の力だ。
村上氏の作品は雑念が多すぎる。
雑念というのは、スケベ心が多すぎる。
カーバーは彼の対極にある。
文章を書きいたいというエモーションが強い。
いわば、上手く書いてやろうという雑念が感じられない。
(そこが上手いのだが。)
そこからくる迫力が違う。
やっぱり、苦労を重ねないとそういう迫力は出ないのだろうか。
まあ、そんな作家に村上氏が惹かれる気持ちもよぉーく分かるのだが。
・・・・・・あっと、書き忘れたので、補足。
人間にたいする暖かい目が基本にあるのがいい。