【藪の中】
芥川龍之介著
任天堂DS文学全集
これは、黒澤明の「羅生門」のベースになった作品とのこと。
小説の羅生門とは違う。
まあ、映画の題名が「藪の中」では観客は集まらないだろう。
監督が羅生門と命名したのは、芥川へのオマージュなのだろう。
さて、殺人事件を、盗賊、武士の妻、殺された武士本人の三者から証言する。
このプロットを考え出しただけで、芥川龍之介という人の才能が分かる。
人間というのは、何でも自分の都合の良いように証言するものである。
それは、自分が弱いからである。
そんな人間を茶化している。
もちろん正しい証言をしたのは、殺された武士本人なのだが、死人は喋ることが出来ない。
それを、巫女の口を借りて死人が証言するという形を取る。
すごい、発想である。
それにしても、この武士、情けないな。
情けなさ過ぎる。