右肩下がり?
もう日本の経済は「右肩上がり」の時代は去ったと言われて久しい。
これからは、「右肩下がり」の時代をどう生き抜くかが問題と言われている。
しかし、「右肩下がり」というのは、現実を見誤る甘い表現ではないだろうか。
ごく一部の勝ち組と、大多数の負け組みに二極化される時代のなかで、負け組みの状態を正確に表現するには、「右肩落ち」の方が適切なのではないか。
道の向こうは、断崖というわけである。
「右肩下がり」というのは、徐々に悪化していく状態で、いつかはまた右肩上がりになる時代が来るのではないかとの、期待が込められている。
だが、一旦悪くなり始めた組織が、その破滅を知るのは、既に手遅れになった後ではないだろうか。
何となしに悪くなっているナとは認識していても、周囲を見渡せば誰も慌てていない。
明確な方策もないくせに、何となく上手くいくのではないか。まさか、死ぬことはないだろう。
こういう状態を何と表現するのだろう。
「無知なるオプチミズム」とでもいうのだろうか。
音もなく、破局が忍び寄り、それまで強固だと思っていた地面が、スッとなくなる。
そして、奈落の底に全員が落ちていくのである。
落下しながら脳裏を横切るのは、昨日までの自分たちのお気楽さ。そして、後悔。
少しでも体力の残っているうちに、何とかしなければならない・・・・っと声を上げることの難しさよ。
何とかすることで、さらに死期が加速するかも知れない恐怖。
結局は、何もしないまま。
賢い人間は、さっさとその組織を見限って、立ち去ることだろうか。