人間だって、本当は現実の中で生きている。
なのに、生きているのは大部分が頭の中でこさえた世界の中でだ。
典型的なのが会社。
毎日、会社で働いているのは現実じゃないかというだろう。
でも、会社って何なのだ?
単なる人間同士の約束事以外の何物でもないではないか。
例えばお金。
紙や合金に価値があるなんて、マトモじゃない。
それでも実態があるだけマシだ。
今じゃ、実態のない、デジタルの数字で売り買いをしている。
数字に価値があると信じているだけだ。
一歩引いて考えれば、そこにあるのは殆どが人間が作り上げた実態のない世界だ。
人間というのは不思議な生き物だとつくづく思う。
人間は動物と同じ生身の体を持つのに、わざわざ仮想空間で生きている。
仮想空間で生きるには、仮想空間に適合しなければならない。
適合するために、「自分」という、これまた仮想の個人を作り上げる。
動物は現実しか相手にしていないから、自分などという実体の無いものを作る必要がない。
仮想空間で生きる仮想の役者というわけだ。
もちろんその役者はこしらえたものだから、てんでバラバラで出来が良くない。
演技が下手くそで不器用だと相場が決まっている。