ぼくは実習で5,000トンの商船の舵輪(steering wheel)を1時間ほど握ったことがあります。
Starboard Easyとか、 Midshipとか、 Hard port とか、Steady とかね。
号令によってそれぞれ決めた角度にステアリングを回します。
大きな船になるほど、舵を切っても直ぐに反応しません。
当て舵といって、船体の動きを先先に読んで操作しないと船は真っ直ぐ進んでくれません。
下手な操舵手だと乗り心地が悪くなります。
今回事故を起こした船は48,000トンらしいです。
エンジンを調べたら、「ディーゼルエレクトリック」と書かれてあるじゃないですか。
ぼくが船に乗っていた頃は存在しなかった方式です。
どうやら、エンジンで発電してから電動モーターを回す方式だそうです。
日産のNoteと同じアイデアですね。
ぼくらの時代はエンジンからプロペラシャフト直通ですから、スピードをコントロールするのはエンジンの回転数を調整するしかありません。
しかし、ディーゼルエレクトリックとなれば電動ですから、電圧ボリュームで調整するはずです。
負荷に応じて、エンジンが給電する量を自動的に調整するんですね。
コレだと微妙なスピードコントロールが可能ですから、客船には向いているでしょう。
もちろん、ブリッジから直接推力を調整でき、コンピュータによる自動運転にも対応できるでしょう。
ずいぶん進んだものですね。
でも・・・・・
システムが複雑になれば故障もしやすくなります。
4基のエンジンが全部故障したとしかニュースでは判りませんが、故障したのはエンジンなのか、発電機なのか、モーターなのか?
一度にダメになったというなら、先ず電気系でしょう。
それともコンピュータが絡む制御系?
独立して動くエンジンの故障は、考えられません。
ちなみに、推進力を失った船はコントロール不能になり、波に漂うだけです。
怖いのが横波です。
最新式のボーイング737maxの事故と原因は同根でしょう。
飛行機も船も、一見、原始的な方が安心なのです。