・・・・・・・っということで、心に重い印象を残す映画。
パレスティナを支配するイスラエルを単純に批判しているのでもなければ、パレスティナ人たち可愛そうでしょ?と訴える映画でもない。
たしかに、彼らが置かれている過酷な現状を訴える映画ではあるが、それを超えて人間とはなにかを問いかけている。
そうした人間の根底にあるものを描いたために、この映画は単なる告発映画から跳躍して、普遍的な作品に昇華した。
自由を奪われ、選択肢が限られた世界で、人間はどう行動するか。
幼馴染や恋人さえにも疑心暗鬼になり、誰も信じられなくなった世界とはどういうものか。
深く深く考えさせられる。
監督の手腕は大変なものである。
素人に近い出演者とは思えない、すばらしい演技を引き出している。
金をかけた凝った映像や、心を打つ音楽さえもすべて排除してこれだけの映画が作れることを見事に証明して見せた。