映画【Citizen Four】 | so what(だから何なんだ)

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人生のバックパッカーのブログです。
暇はあるけど体力と金と気力がない。
そんなお年頃。
68カ国で止まったまま先に進みません。(;^_^A

・・・・・・・っということで、どこかの防衛庁長官が辞任したそうですね。

彼女の資質がどうの、まつ毛のエクステンションがどうのは別にして、今回の事件で得た教訓を得た教訓は、「秘密はどうやっても守れない」ということです。

資料を処分したといっても、どこかにデータとして残るものです。

機密保持契約を交わしていても万全ではありません。

機密は必ずバレるっもの・・・と認識するのがいまの時代です。

映画【Citizen Four(シチズンフォースノーデンの暴露)】を観ました。




別に【Snowden(スノーデン)】という作品がありますが、Citizen Fourはドキュメンタリー映画です。

ですから、俳優ではなく本物のスノーデン氏が出てきます。

しかも、イギリスの記者を香港に呼んで、実際に暴露する準備段階から始まります。

怖い映画です。

ネット環境のなかで生きている我々全てが観るべき映画だと思います。

・・・・っといっても、実際にDVDを借りて観る人は皆無でしょうから、内容を紹介してしまいます。


・・・・・・・


最初に書いたように、必ず機密はバレるという前提に立った社会にぼくらは住んでいます。

スマフォを使っている人なら、誰もが自分の会話や通信記録が絶対安全じゃないと薄々感じていますよね。

このブログを書く時だって、自分の情報はなるべく出さないように気遣っていますよね。

でも、自分の情報が誰かに知られる危険性を知りながら、便利さに負けて使っているんですよね。

こういう社会って、とんでもなく怖い社会だと現実味を持って感じさせてくれるのがこの映画です。

スマフォはもちろんのこと、メール、GPSによる位置情報、会話内容、クレジットなどのカードの使用記録、パスモの自動改札。

これらの情報をつなげて一つのメガデータにすれば、その個人の情報が全て知ることが出来るのです。

そして、何かをしたとき通知が来るようにすることが出来るのです。

パスワードだって、暗号化だって必ず破られます。

要は時間の問題だけです。

1秒間に1兆通りの暗号解読というフレーズが映画の中で出てきます。

スノーデン氏が暴いたのは、アメリカ政府が実際に個人データをハッキングしてデータ化しているという事実です。


・・・・・・・


これを聞いてこりゃあ大変だと実感する人は案外少ないんじゃないでしょうか。

テロリストの犯行を未然に防ぐには、仕方ないと思っていませんか?

しかし、対象はテロリストだけに向けられていないということなのです。

政府が個人のプライベートを覗くことを許していいのでしょうか?

まだピンと来ませんよね。


・・・・・・・


旧ソ連時代は秘密警察が密告を許していました。

隣人が、友人が、家族が密告をするのです。

この辺は【善き人のソナタ】という映画で上手く描かれています。

密告ばかりでなく、盗聴も行われます。

部屋のあらゆる場所に盗聴器を仕掛けるのです。

怪しいと思われた人物は、拷問によって告白を強要されます。

そういう社会って絶対イヤですよね。

ところが、現代はそんな面倒なことはしなくても、個人情報がダダ漏れの社会なのです。

ゲシュタポを恐れていた時代と、実は同じなのです。

それに気付かない。

映画の中で、FBIから情報提供するよう求められた情報処理会社の社長が言います。

個人のプライバシーを守ることは自由を守ることと同じなのだ。

プライバシーが守られない社会は自由な社会とはいえない。

我々人類は、この自由を勝ち取るために戦ってきたのではないか。←これはぼくの付け加え。

それに屈するのなら、自分はこの会社を畳むと証言します。

偉いね。

・・・・・・・

まだピンと来ないですか?

スノーデンがばらした情報の中に、ドイツのメルケル首相の携帯電話を傍受していたという事実が含まれます。

えっ!

これって、外国の政治決定のプロセスをリアルタイムで知ることが出来るってことですよね。

いまトランプが選挙中にロシアの支援を受けたことで大騒ぎですよね。

大騒ぎする理由は、ロシアが気に入った人物をアメリカ大統領に仕立て上げることが可能だということを証明しているからです。

・・・っということは、情報を操作することによって、外国の政治に介入できるということです。

怖いでしょう?

そして、さらに怖いのが、民間企業の情報を盗んで、その会社を潰すことだって可能になるのです。

東芝がウエスティングハウスというボロ会社を掴まされ、窮地に陥っているのは、アメリカによる工作だとぼくは疑っています。


・・・・・・・

ぼくが怖いと思うのは、もう後戻りできないということです。

個人情報をハッキングしてデータ化しているのは、アメリカやロシアばかりではないでしょう。

政府を問い質しても、やってないと言うでしょう。(実際、証人喚問でアメリカ政府の役人が偽証しているシーンが出ます。)

インターネットが繋がり、殆どの人がスマフォを所有する時代にプライベートは存在しないのです。

知らない間にそんな社会になってしまったのです。

人類って、出来ることは必ずやってしまう本能を持っています。

ぼくの情報を知りたいと本気で思えば、ぼくがどこでこの文を書いているのか、どういう経歴でどんな性格をしているか。

趣味の傾向は?行動パターンは?

銀行にどのくらいの預金を持っているか。

そして、その預金残額をゼロにすることも、いとも簡単に出来る社会なのです。