フランス大統領選 | so what(だから何なんだ)

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・・・・・・・っということで、フランス大統領選挙が進行中のようです。

 

ルペンという威勢のいいオバチャンが頑張っているみたい。

 

彼女のお父ちゃんが極右翼の党首をしていましたが、いつの間にか党を引き継いでいたのですね。

 

彼女はEU離脱を主張しているようです。

 

イギリスに続き、フランスがEUから抜けたら、EUはどうなっちゃうんでしょうね。

 

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EUってぇのは、歴史の大きな流れの上で見ると、必然なんですね。

 

中世から近代になる過程で、これからは国民国家でなきゃ淘汰されてしまうことを人類は学んだのでしょう?

 

ナポレオン率いるフランスが国民国家であることの有利さを見せ付けたから、我も我もと憲法を制定して近代国家が生まれていきました。

 

なんたって、フランスは国王を殺したんですからね。

 

ナポレオンの独創性は国民皆兵にしたことで、一般市民(男性)を兵隊に仕立て上げたことだとぼくは理解しています。

 

当時としてこれは禁じ手で、それまで戦争はプロが行うものだったのです。

 

国民を動員すれば、兵隊の数はいくらでも供給できることに気付いたのですね。

 

一般市民を戦争に駆り出すためには、国家とそれに属する国民という意識を植え付けなければならない。

 

このとき「愛国主義」が誕生したのです。

 

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歴史は巡り巡って、大きな犠牲を払って学んだことは、「愛国主義は危ないぞ」ということです。

 

日本だって、国家のためにという理由で多くの市民が命を落としたじゃないですか。

 

ちょっと考えれば、国家というワケの分からない代物より自分の家族のほうが大切だと分かるでしょう。

 

EUはそんな国家国家と唱えていちゃ、いつまで経っても戦争のリスクが減らないぞという考えが根底にあるでしょう。

 

EUは愛国主義とは対極にある理念なのです。

 

EUがフランスとドイツが主導しているのは、歴史的に見て理由があるのです。

 

とはいいながら、EUには大きな欠点もあります。

 

国家という意識を如何に弱められるかが成功の鍵を握っているからです。

 

ぼくが思うに、EUの方向性は人類にとって間違っていないと思います。

 

通貨まで統一するなど、そのチャレンジ精神は大いに評価すべきでしょう。

 

しかし、この流れについていけない人々も居るわけです。

 

どうしてもユーロを受け入れなかったイギリスがいい例で、イギリスは古い国家という概念から結局抜け出せなかったのでしょう。

 

過去の栄光というものは、進歩の足を引っ張るものなのですね。

 

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さて、ルペン叔母さんも、トランプ爺さんも自分は愛国主義者だと声高に叫びます。

 

そういう人に釣られて、世界中の人の中から愛国精神を呼び起こします。

 

でも、彼等は古い国家の概念から抜け出せていない人々なのです。

 

彼等が主張する「○○ファースト」の○○に入るのは、狭い概念での国家じゃないですか。

 

少し歴史をかじった者として、フランスの大統領選をこんな目で見ています。

 

まあ、彼等の気持ちも分からんでもありません。

 

何故なら、誰にとっても変化は怖いものですから。