・・・・・・・っということで、日本の若者たちが正社員になれず、安い給料でブラック企業といわれる会社でこき使われている。
可愛そうな時代である・・・・っというより、勿体ない時代である。
ステレオタイプな見かたかも知れないが、日本の労働者は勤勉である。
勤勉であるということは、労働の質が高いということである。
その質の高い労働力を、格安で利用され、壊れたら捨てられるなんて、なんと勿体ない社会であろうか。
雇う側も雇われる側も労働の質を理解していない。
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昔、日本は製品の輸出で利益を上げていた。
労働賃金が安いうえ、良い製品を安く作ることが出来たからMade in Japanが売れたのである。
今の中国は労働者の質は低いけれど、それを補ってあり余る労働賃金の安さで利益を上げている。
だから世界各国が中国に工場を作ったのである。
外国の企業がいま日本に工場を作ろうと考えるであろうか?
いくら労働力の質が高くても、賃金が高くて採算が合わないからだ。
さらに、海上運賃のハンディもある。
日本は、過去のように世界の工場にはもうなれないのである。
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これまでの若者は大企業に就職することが目標だった。
だが、大企業だってちょっと時代の読みを間違えば、潰れる時代だ。
敢えて例を挙げる必要もないだろう。
会社が潰れなくとも、会社に潰される時代でもあるのだ。
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今の若者たちは大変な時代を生きていかなければならないと、つくづく気の毒に思う。
ぼくの時代が大変じゃなかったとは言わないが、今の若者に比べたらずっとずっと精神的に楽だった。
会社の中で無茶をする機会も与えられていた。
会社にも社員を育てるという長期ビジョンを持っていた。
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ぼくはもうそんな世界から引退してしまったので気楽なものだが、ホントーに気の毒だと思う。
若者に対してぼくからは何もアドバイスはないのだが、各自がどのような能力を持っているかにもよるけれど、「なるべく上流を目指せ」ということだ。
企業を選ぶ上でも、ポジションにしても、職種にしても、なるべく上流を狙ったほうがいいということである。
例えば、下請け会社より元請け会社。
建設会社よりコンサルタント会社。
作業員より監督。
淘汰される産業より、将来の産業。
スキルよりプログラミング。
社員より社長。
出版社より作家。
プレーヤーより作曲家。
重厚長大より軽薄短小。
習う側より教える側。
犯罪者より警察官・・・あれっ?
子供より親・・・あれっ?
まあ、どれも大変な苦労があるけれど、同じ頑張るなら上流を目指そう。