・・・・・・・っということで、神様は自らが作り上げた自然界が完璧な調和を取れたところで満足しました。
植物、昆虫、鳥類、魚類、爬虫類、両生類、動物、そして菌類にいたるまで地球上の生物がお互いに関連し合う調和です。
う~ん完璧だ。
神様は完成したシステムを上から眺めながらしばらく遊んでいました。
でも、すぐに飽きてしまいました。
あまりにも完璧すぎるのって、実は面白くないものなんですね。
何か足りないぞと不満を覚えるようになってきました。
何が足りないのか、自らに問いかけてみました。
そうだ、馬鹿なことをするヤツが足りないのだ。
今まで作ってきた生物は、真面目に神様の言いつけを守るばかり。
ここに不真面目なヤツを放り込んだら、面白いことになるぞっと思ったのです。
どんな生物がいいかな?
形はサルに似せて・・・っと。
頭でっかちの割には体つきはひ弱に・・・っと。
腕力はないし、足も速くないし、尖った牙も爪も持たず、耳もあまり聞こえず、鼻も鈍感で、目も弱い・・・っと。
調子に乗った神様は、最後に毛皮を剥ぎ取って裸にしたのです。
プフッ! 神様はその姿につい噴出してしまいました。
流石に神様もこれはやり過ぎだと思ったのですが、この滑稽な生き物を自然界に入れたらどういうことになるか、好奇心のほうが勝りました。
出来たばかりの人間をちょいとつまんで、自然界に放り込んだのです。
明日の朝が楽しみだぞ。
疲労を覚えた神様はここで一眠りすることにしました。
・・・・・・・
翌朝になって、眠い目をこすりながら起き上がってきた神様が自然界を見下ろしたとき、その驚いたこと驚いたこと。
野山は人間によって削り取られ、そこらじゅうヘンテコな建物で埋め尽くされ、空気は汚れに汚れ、海の色は変色して、氷が溶けて、せっかく作った動物たちの殆どが死滅するか絶滅寸前になり・・・・・あの完璧な調和は人間によって、破壊され尽くしてしまったのです。
もう無茶苦茶やぁ~~~~
それよりなにより、神様を一番驚かせたことは、人間の数がやたらに増えていたことなのです。
おまけにお互い殺しあっているじゃないか。
あれほどひ弱に作ったはずの人間なのに。
あっちゃぁ~~~神様は頭を抱え込んでしまいました。
何を間違ったんだろう。
間違いを絶対にしないのが神様だとうそぶいていたのは、神様自身だったじゃないか。
・・・・・・・
このお話は、ここでオシマイです。
神様は一体何を間違ったのでしょう?
皆さんで一緒に考えてみてくださいね。