【皇帝フリードリッヒ2世の生涯】(上下巻) | so what(だから何なんだ)

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・・・・・・っということで、フリードリッヒ2世というと、あのフリードリッヒ2世のほうを思い浮かべる人のほうが多いんじゃないだろうか。


あのフリードリッヒ2世とは18世紀に生きたプロイセン王で、「フリードリッヒ大王」の呼称で有名なほうである。


こちらのフリードリッヒは13世紀を生きた神聖ローマ帝国の皇帝である。


知らなかった。


「ストゥポール・ムンディ(世界の驚異)」といえばこの人を指すのはヨーロッパ人の常識らしい。


読み進む中で思い出さされたのだが、あの第6次十字軍を組織して、イェルサレムの無血占領に成功した皇帝だった。


【十字軍物語】ではアッサリ書かれていたけれど、敵であるイスラムのスルタン相手に平和交渉に成功した男であるから、只者ではないことは知っていた。


・・・・・・


例によって、塩野七生の本は読みやすい。


結構厚い2巻の書物だけれど、引き込まれてあっという間に読み終わってしまう。


歴史本でこんなに読み易く書けるのは彼女の才能であろう。


取捨選択が大胆で、本筋からブレないからじゃないだろうか。


彼女によって、歴史の面白さに目覚めさせられたのはぼくだけじゃないはず。


しかし、彼女も老いた。


老いた証拠に、同じ事を何度も繰り返す。


もう分かったよと言いたいくらいだ。


まあ、それも彼女の微笑ましい点ではあるのだが。


彼女ももう79歳のお婆ちゃんになったんですね。


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例によって、塩野七生が惚れ込んだ男を書いている。


カエサル然り、マキャヴェリ然り、チェーザレ・ボルジア然り。


彼女が好きなタイプの男性の特徴は一致している。


それは、「先を読める男である」。


先を読める男とは、「時代より早く生まれてしまった男」でもある。


カエサルはローマを治めるのは皇帝しかないと読んでいたし、マキャヴェリは傭兵は排して国民軍を持つべきだと読んでいたし、ボルジアは君主は冷徹でなければならないと読んでいた。


フリードリッヒ2世は封建制度ではなく、中央集権でなければならないと読んでいた。


誰が皇帝になっても、法制度を確立した法治国家でなければ長続きしないと知っていた。


そのためには、【政教分離】でなければならない。


彼の目指した社会は遥か200年後に始まるルネッサンスを見越していたのである。


時代より早く生まれてしまった男である所以である。


時代のほうが彼に追いつかなかったのである。


まさしく「世界の驚異」である。


彼の一生は政教分離実現への戦い、即ちローマ法王たちとの戦いであった。


塩野七生女史はずっとこの男を書きたかったそうだ。


満を持して書いただけあって、彼への愛が文章の随所に溢れている。


80歳にならんとするお婆ちゃんパワー恐るべし。