・・・・・・っということで、スピルバーグとトム・ハンクスによるシリアスドラマ。
本当はシリアスに徹したいのだけれど、この組み合わせじゃどこか徹しきれないだろうなぁ~との予想通り、全体的に緊張感が物足りない。
時は冷戦時代。
ベルリンに壁が築き始められる、まさにその冷却が頂点に達していた時の物語。
ちょっと前の映画なら、ソ連は悪の帝国だと決め付け、徹底的に悪者に描いていたはずなのに、ベルリンの壁崩壊からはや27年が過ぎ、そういう一方的な描き方は、もう観客には通用しない。
そう、ソ連も酷かったけれど、アメリカも酷かったという視点で描かれている。
特にソ連のスパイ役がいい味を出している。
見過ごされるべき米国青年に拘ることによって捕虜交換が破綻するというリスクを背負ってまでトム・ハンクスが頑張ったのは何故か?
そこがこの映画のキモなのだが、そこんところを描くのにモタついた感じは否めない。
まあ、ニューマニズム礼賛調はスティルバーグだから仕方ないけれど。