【第一次世界大戦】 | so what(だから何なんだ)

so what(だから何なんだ)

人生のバックパッカーのブログです。
暇はあるけど体力と金と気力がない。
そんなお年頃。
68カ国で止まったまま先に進みません。(;^_^A

・・・・・・っということで、「イスラム教を理解する試み」の延長線上にある読書です。

かなり関連性が薄いと自分でも思いますが、今のイスラム世界を理解するには、「サイクス・ピコ協定」と「バルフォア宣言」抜きには考えられないのです。

すると、それらの背景を理解するには、第一次世界大戦は避けて通れないのです。

歴史って、芋ズル式なんですね。(^^ゞ


第一次世界大戦について知っていること・・・

ボスニアのサラエボでオーストリーのフェルディナンド大公夫妻がセルビアの青年に暗殺されたことが第一次世界大戦の引き金になった

・・・ということは誰でも知っていますがナゼそんなマイナーな(?)地域での事件が世界を巻き込む大戦争のきっかけになったのか、正確に答えられる人はごく少数でしょ?

例えばこういう簡単な質問に答えられないことについて疑問を持つ人に対して、この本は実に的確に回答を与えてくれる。

歴史は必ず原因があって結果がある。

歴史とは因果関係が必ずあるという前提がなければ成り立たない学問である。

何故いまのロシアがあるのか、中国があるのか、バルカン諸国があるのか、ヨーロッパがあるのか、アメリカがあるのか、アラブ諸国があるのか、そして日本があるのか・・・・

今を知るためには、オリエンテーリングのように必ずチェックポイントを通過しなければならないのである。

第二次世界大戦を知るためには、第一次世界大戦を知る必要があるのである。

・・・・・・

第一次世界大戦の入門書としては実に上手くまとまっている。

毒ガスとか、塹壕戦とか、西部戦線異常なしとか、WarよりBattleに目が向きがちだけれど、本書は一切省いている。

それよりも、この大戦が帝国主義国から共和国への過渡期と捉え、各国の(未熟な?)政治家たちの判断に焦点を絞っている。

しかも、少ない字数の制限にも係わらず、係わった人たちを出来るだけ血の通った人間として描こうとしている。

ウウゥ~~ン、こういう描きかた好きです。

無機質になりがちの歴史なんだけど、歴史って結局人間が作るものなんですよね。

日本(アジア)からの視点も多くの字数を割いていることも好感が持てる。