【イスラーム帝国のジハード】 | so what(だから何なんだ)

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人生のバックパッカーのブログです。
暇はあるけど体力と金と気力がない。
そんなお年頃。
68カ国で止まったまま先に進みません。(;^_^A

・・・・・・っということで、良書です。

オススメの一冊です。

ぼくがイスラムについて知りたいと思ったこと、懐いていた疑問に適切に回答を与えてくれます。

コーランの解説は殆どされていません。

その思想を中心に書かれています。

歴史の記述は羅列するのではなく、その意味するところを重点に書かれています。

オスマントルコ帝国でも書きましたが、こういう歴史を書くのに日本人ほど客観的に書ける人種はいないのではないでしょうか。

決して思い込みや、熱い主義主張では書かれていません。

深い専門知識があるにも関わらず、実に平易な分かりやすい言葉で書かれています。

現代のイスラム教徒を名乗るテロ事件を理解する上で、イスラムの知識が少な過ぎると誰もが感じるだろう。
コーランを読んでイスラムの本質を知ろうとしても、聖書を読んだだけでキリスト教の本質は容易に分からないのと同じで無駄だろう。
それ以上に、キリストの歴史を学ぶことは意味を成さないだろう。

だが、イスラム教を知るのには歴史的アプローチが一番効果的であることがこの本を読んで納得できた。

アラビア半島という空白地帯で生まれた宗教がいかにして広まったのか。
広まる過程でどのような困難や矛盾を克服して行ったか、歴史を辿ることでイスラム教を「理屈として」理解できるのである。

著者は歴史学者ではなく、政治思想研究家である。

この本は、著者の現代のイスラム世界が抱える問題を、その歴史的、思想的の両面から解説を加えようとする動機で書かれている。

まさしく、今のイスラムを知ろうとする人にとって、ベストなテキストである。