・・・・・・っということで、今回は3作とも女性が主人公である。
大正時代に生きる女性に芥川がどう期待をしていたか読み取ることが出来る。
【六の宮の姫君】
ここに登場する女性は貴族の姫君である。
ところが家が没落してしまい、彼女は貧困に陥り結局乞食のようになって死んでしまう。
悲しい物語である。
お姫さまゆえ、生活力はなく、貧困状態になってもお稽古や遊びごとしかなす術がない。
身分の低い男に頼ろうとするのだが、結局裏切られてしまう。
普通なら、気の毒な話しである。
だが、女性だからといって自立心を持たないことに芥川は厳しい目を向けている。
【お富の貞操】
ここに登場する女性は若い女中である。
学問はないけれど、ものの善悪をわきまえていて、きちんとした価値観を持っている。
後に明治政府の重鎮になる男に貞操を奪われそうになるが、その堂々たる態度は、決してその男に引けをとらない【六の宮の姫君】とは対照的な女性として芥川は描いている。
【一塊の土】
これは農家の嫁と姑の話。
姑の心の葛藤を中心に描いていて、芥川作品としては凡作だと思う。