【桜桃】 | so what(だから何なんだ)

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人生のバックパッカーのブログです。
暇はあるけど体力と金と気力がない。
そんなお年頃。
68カ国で止まったまま先に進みません。(;^_^A

・・・・・・っということで、読書感想文。


これもショートショート。
自殺寸前の作なのに、【グッドバイ】同様ユーモアに溢れている。
太宰はサービス精神旺盛な人間だと常々分析していたが、ここで彼自身がその通りだと独白している。
切羽詰っているのに、読者を笑わそうとしている。
殆ど自分自身の私生活のことを書いて切り売りするスタイル。
自堕落なくせに、やたら義理堅い。
そんな相反する自分の性質に挟まれて、結局現実から逃げようとする。
逃げる先が、酒か、女か、薬か、その全部か。
主人公に「(子供より)親が大事」とつぶやかせているが、本当のところ、家族を養わなければならない宿命を持った父親が一番大事だと心の中で叫んでいるのである。
まあ、家族の重圧から逃れるために、自殺しようと思う父親はいないと思うが、家族を持つ父親ならこの話の内容には共感を覚えるはずだ。
ちなみに、桜桃(おうとう)はさくらんぼうのことで、死の間際に書かれた本作により、彼の誕生日であり、遺体が発見された日を「桜桃忌」と呼ぶそうだ。