有名なワイエスの【クリスティーナの世界】ですね。
ぼくが分からないのは、なんでこの絵画に拘ったのか、その理由です。
地球が滅びたあとの世界が舞台の映画だったのですが、荒廃して砂漠のようになった地球のある谷にだけ、美しい自然が残っているのですね。
そこには、池のそばに小屋が建っていて古きよき時代を思い出させる蓄音機などの品々が残っているという設定なんです。
単純に考えて、そういう時代へのノスタルジーを表すために、この絵が象徴的に使われたと解釈するべきなのでしょうか?
ご存知のように、この絵の女性は身体障害者で立って歩くことが出来ません。
車椅子を拒み、このように自力で這って移動したそうです。
遠くに見える家屋は彼女の自宅で、そこに帰ろうとしています。
本当は希望に向かう強い意志と解釈すべきなのでしょうが、ぼくには寂しさ、もっと言えば絶望をこの絵に感じるのです。
改めて知ったのは、この女性が老婆だったことです。
でもどう見ても若い女性にしか見えない。
拡大してみると手はシワだらけで、髪の毛は薄く白髪が目立っていることが判明します。
ぼくにはあの家には希望なんてない。
平凡で孤独で退屈極まりない生活が待っていると思うんです。
だけれども、彼女にとってはそこしか帰る場所がない。
この絵にアメリカ人がどんな意味を見出すのか、ぼくには分かりません。
写実的なのに実は非現実的。
そうSFの世界ですね。
この映画監督の意図が知りたいですね。