アポイントが朝の9時だったので、7時に目覚ましをかけ、30分後にはベッドを出た。
約束の時間まで45分もある時間にアパート前の通りに出たので、余裕でタクシーを捕まえられると思い込んでいた。
ところが、タクシーが来ないのである。
来ても、客を乗せている。
時間はどんどん過ぎていく。
約束の場所はタクシーではなくては行けない距離。
だんだん焦ってきて、さらに交通量の多い通りに移動。
そもそも、どの車がタクシーなのか、それさえもあやふやだ。
困り果てていたところに、古ぅ~~いおんぼろ車が止まった。
手も上げていないのに・・・。
近づいて、タクシーかと聞いたら、そうだという返事。
行き先を告げ、値段交渉に入る。
こっちには選択肢がないので、7ペソという言い値でOKする。
20分もあれば十分着けるので、ホッとする。
ところが、細い路地で急に停車してしまい、運転手がチョットという仕草をして降りてしまった。
やおらトランクからジャッキを取り出し、タイヤを取り外し始めた。
9時までに着かなきゃならんというと、ほんのチョットだけ待ってくれという。
パンクじゃなかった。
慣れた手つきで、ブレーキの部品を交換し始めた。
仕方ないので、先方には携帯電話で事情を話し、遅れる旨を告げた。
こうなりゃ、腕前をじっくり拝見させてもらうことにした。
ここまでボロい車を動かすのだから、運転するほうも慣れたもの。
自分で修理しながら走るのだ。
あっという間に作業が終わり、再出発・・・っと思ったらまた運転手が降りてしまった。
戻って来た手にはナットが一つ。
締め忘れたと笑っている。
そのまま車は猛スピードで走り出した。
オイオイ、ナットはどうするの?
陽気な男で、トヨタは最高だという。
話を聞くと、この車のベースはシボレーだが、エンジンと駆動系はトヨタのに入れ替えているとのこと。
10ペソを支払い、おつりを待っていると、ワザと小銭をかき集めたりしている。
メンドウなので、3ペソはチップでくれてやった。
・・・・・・
この話を客先にすると、そりゃぁ白タクだとのことであった。
でも、7ペソは普通よりずっと安い料金だったので、逆に驚かれてしまった。
コレだから旅は面白い。
・・・・・・
これが利用したTaxi。
運転席。
客を待たせたまま、おもむろにトランクからジャッキを取り出す。
タイヤを外し・・・
ブレーキの部品を取り替える。
実に慣れた手つきだ。

