・・・・・・・っということで、また読書感想。
第121回(平成11年度上半期) 直木賞受賞
【最初のプロットがどうも引っかかって、最後まで物語の世界に入れなかった。
不倫同士が、男性にいくら金があるからといって、北海道にわざわざ別荘を買って、お互いの家族を連れて一緒に泊まって、そこで目を盗んでまぐわるか?
あり得ないでしょ?
その非現実的な設定に読み進む興味の大半が失せてしまった。
まあ、着眼点はいいだろう。
こういうオチにするのもいいだろう。
だが、長すぎる。
長くするのは、登場人物の心理を丹念に描きたかったからなのだろう。
だが、長くしたために、いろいろな点に破綻が目立ってしまう。
この作家は、自分の中の観念の世界に浸りすぎて、実社会で経験を積むことが極端に少なかったのだろう。
それはそれなりに、独特な世界を作るから、読むほうは面白いと言えば面白いだろう。
だが、リアルな世界に生きる時間を、もう少し取った方がいいんじゃないかい?
下手すりゃ、悪い方に精神を病むぜ。 】
・・・・っと、読書感想は以上なんだけど、ちょっと付け足します。
ブログの中に巣食っている自己陶酔型のブロガーを「文学少女」なんていう形容で、ちょっとばかり揶揄したことがあったけれど、ふと他人事じゃないなァ~と気付いたわけ。
例えば、人付き合いがあまり上手くない主婦がいたとしよう。
ダンナにその日の出来事を話しても、芳しい反応がなかったとしよう。
そんな日ごろのストレスを発散するために、ブログにのめり込んだとしよう。
もともと文科系の大学を卒業したこともあり、文章を書くのが得意だったとしよう。
すると、読者から好意的な反応があったとしよう。
最初は恐る恐る書いていた文章も、いつしか自信にあふれる文章に変化したとしよう。
ああ、私の生きる世界はここにあったと、新しい自分を発見したと思ったとしよう。
・・・・・・・
そこであるとき、現実とはかなりかけ離れた世界で生きる自分を発見するのである。
ブログというバーチャルな世界に限ったことではない。
いわゆる文学少女(あるいはそれに近い文学青年)、あるいはゲームの世界に没頭する若者たち、AKBをはじめとするアイドルを追っかけているオタクたち、
彼らのことを悪く言うわけではない。
ただ、バーチャルの世界とは相容れない、現実の世界が歴然として存在することを見失ってはならない。
それだけだ。
以上、自戒の意味を込めて。
