・・・・・・・っということで、カダフィ大佐が殺害された。
ついにというべきだろう。
1942年生まれだから69歳か?
1969年にクーデターで政権をとったのが27歳。
42年間も独裁者の地位を維持したことになる。
秘密警察による恐怖政治を敷いていたとしても、スゴイ長期政権だ。
同じ独裁国の北朝鮮でも、1994年にオヤジが亡くなってキム正日が実質的トップに立ってからも、まだ17年。
これだけ長生きしたのは、ある種の才能を持っていたこと、
即ち独裁者として有能だったことは否定できないだろう。
ぼくも多少アラブの世界に身を置いていたことがあるので、
ちょっとくらいはアラブ人に対して考えを述べても許されるだろう。
アラブ人は独裁者を好む。
・・・と言ってしまえば語弊があるだろうから、カリスマを好むと言い換えてもよい。
アラブ諸国の殆どが独裁者か国王に統治されているのを見れば、容易に分かるだろう。
独裁者が好きなのだ。
彼らはすぐに熱狂する。
繋ぎとめておくには、強いところを見せ続けなくてはならない。
そのためには、外国に対してちょっと荒っぽいことをしなくちゃならない。
そうしないと国民にウケないのだ。
独裁者は疲れるのだ。
外国はそういう目でアラブの指導者を見る必要があるのだ。
・・・・・・
それでも独裁者の力は遅かれ早かれ衰えてくる。
次に彼らが採る手段は、恐怖政治と相場が決まっている。
歴史上、何度も繰り返されたパターンだ。
カダフィの長期政権は、このシステムを巧妙に築き上げた結果だろう。
・・・・・・
そして、いつかは崩壊する。
以前の独裁者をつるし上げにして、歓喜する民衆の姿を何度見たことだろう?
ついこの間まで熱狂していた同じ独裁者に対して。
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次にくるのが、混沌だ。
その混沌は新しい独裁者が登場するまで続けられる。
映画【アラビアのロレンス】でみた、あの部族同士の議会における混乱と全く同じ光景だ。
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このアラブ社会にとって無意味な循環に対して、解決方法はあるのだろうか?
解決方法はアラブ自身しか持っていない。
非アラブ諸国は、それを見守るしかないのだ。
オイル利権を狙おうとの魂胆を持ちながら、上から目線で介入する考えは捨て去るべきだ。
それしかない。
とても難しいだろうが。