・・・・・・・っということで、この齢になるといろいろと物知りだと思われる。
それは全くの勘違いで、とても重要なことも含めて、何も知らないも同然だ。
これは、なにも謙遜して言っているのではなく、全くの事実なのだからしょうがない。
例えば【理念】という言葉。
知っているようで知らない。
【理念型】となると、さっぱり分からない。
こうなると、辞書や百科事典を調べるしかない。
辞書一つをとっても、知らない言葉だらけだ。
もし、自分が物知りなら、辞書は要らないことになる。
自分が知っているのは辞書の中のホンの一握りの言葉。
しかも、それは間違って記憶している可能性も高い。
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言葉一つをとってもそうなのだから、世の中の事象、人間のことも、自然科学も何一つ知らないといっていいだろう。
これはぼくだけじゃないはずだ。
本当は、世の中の人間は全て、無知なのだ。
ところが、世の中のことはかなり知っていると誤解して生活している。
だって、とりあえずこの社会の中で生きてきたし、これからも生きていけると信じているからだ。
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お互い無知な者同士なのに、論争する。
そして最悪な場合、戦争をする。
もう少し、謙虚になれといっているのではない。
自分は無知だと知ることから始めろといっているのである。
無知だと知っていたなら、まず相手の言葉を聴こうとすはずだ。
相手も無知だと知っていれば、自分の言葉を理解しようとするはずだ。
無知な者同士でも、対話を通じて、お互いに成長できるはずだ。
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とっても簡単なことなのだ。
でも、出来ない。