・・・・・・・っということで、自分でも信じられないのだが、
20年前のぼくはパイロット養成校の教官をやっていた。
そういう関係で、昨日の航空大学校の帯広分校で起きた航空事故には、
いろいろと感ずるものがある。
かつてぼくが教えた卒業生も2人航空機事故で亡くなっている。
ぼくがアメリカで最初にライセンスを取ったときの試験官も墜落事故で亡くなっている。
それが知り合いの範囲になると、もっと人数が増える。
そうなんですよ、パイロットって危険なんですよ。
とくに有視界飛行で飛んでいる小型機は危ない。
自分の目を頼りに飛んでいるからです。
航空機の事故原因が気象によるものはとても多い。
有視界飛行で突然雲に囲まれると、パニックになってしまう。
だから、計器飛行方式で飛行するほうが安全なのですが、
小型機に付いている計器なんて、ホントーに原始的なものなんです。
信じられないほど原始的。
高度計は外気圧を感知する原理だし、方位は未だに磁石が頼りだ。
スピード計だってピトー管だし、よく着氷して詰まってしまう。
どの計器も補正をしないと正確な値は得られない。
今回の事故原因はハッキリしていないが、生存者の話によると雲を抜けたら正面が山だったといっているので、
高度計が正しい高度を示していなかった可能性が高い。(あと、位置の把握ね。)
パイロットの間では、
【"High to low, Hot to cold, look out below." 】
という口癖で覚えるやり方がある。
High to lowとは高気圧のところから低気圧の所へ
Hot to coldとは気温の高い所から低い所へ
そういう飛行のときは、
高度計は実際の高度より高い高度を示すので危険だよという意味なんです。
細かい説明をすると、メンドクサイのですが、
要するに、高度計は常にAltimeter Setting(補正)をしないと信用ならんよということなんです。
航空大学校の教官がそんな基本的なミスしていたなんて思いたくないが、
気象を甘く見ると取り返しの付かないことになります。
今回は、幸い1名の生存者があるようなので、事故原因は早く解明できるものと期待したい。