・・・・・・・っということで、いま読んでいる本の口調?を真似て書いてみる。
6月最後の日だとはいえ、暑い。
暑すぎる。
この暑さに俺の脳味噌はグダグダに溶けていく。
脳味噌のシワは完全に伸びきって、パンパンに膨らんでいく。
狭い頭蓋骨の中で、灰色の脳味噌はちょうど充填豆腐のようだ。
出口を求めて、にがりをくれぇ~~~
・・・・・・・っと叫んでいる。
早く、凝固剤を添加しないと、
ドロドロの脳味噌は、耳の穴から、
鼻の穴から次々と漏れ出てくる。
鼻血を押えるような格好をして、俺は叫ぶ
早くにがりをっ!!・・・っと。
・・・・・
ユラリ由良李由良利、石田衣良・・・
アスファルトの路面から立ち上る妖気のために、
俺を取り巻く世界全体が歪んで、真っ直ぐ歩くことも困難になる。
ムンクの叫び。
フラり富良李婦等利、石田衣良・・・
前方から、5人の若造が歩道いっぱいになって歩いてくる。
ドイツもコイツも腰からキーをぶら下げやがってチャラチャラ。
親のスネを齧っているくせに、
このクソ暑いのに、チョッキなんか着やがって、
個性を出したつもりだろうが、同じ、みな同じ、
考えていることは、女のことばかり、
仲良しぶっているが、
仲間の誰かが自分の彼女よりカワイイ子を連れてこないか
戦々恐々としてやがる。
まあ、こんな連中と付き合う女も同類。
同類哀れみの令・・・なんちゃってね。
こういう連中の真ん中めがけて突っ込むのは無意味。
納得はしていないが、歩道の左に避けて連中をやり過ごす。
いいかオメェ~~ら、ちょっとでも肩が触れたら、
まとめて、ボコボコにしてやるぜっ!!
・・・・・・っと、心でつぶやくだけの小心者の俺。
・・・・・・
ガキ共だけが悪いんじゃない。
見たまえ、いますれ違ったサラリーマン、
このクソ暑いのに、スーツを着てやがる。
それがジジイなら、干からびちまって、温度の感覚が麻痺しちまって、
夏も冬も同じ背広を着ているって、
それはそれで分からないでもない。
だが、オメェ~らはニュースを見ていないんかっ!!
そもそも、そのクソ暑くさい格好で客先の前に出たとき、
客からオメェーの常識を疑われるぜっ!!
見るからに汗臭い。
俺のように、上はポロシャツ、下はチノパン。
これって、これからの日本の正装ですぜ。
このあいだの東京地区全社員を前に朝礼をしたときも、
上下この格好。
ユニクロで上下を決めていたんだぜ。
まあ、会長は不服そうな顔をして、俺を睨みつけていたがな
・・・・・・
それにしても暑い。
6月の梅雨真っ只中の東京シチィーをポロシャツ+チノパンで彷徨する。
気が付きゃ駅のホームのベンチでうずくまっている自分を発見する。
この駅はどこ?
俺はどこに行こうとしているのか?
駅の構内放送が聞こえる。
最初は標準語の発音で駅名を告げるウグイス嬢。
次は何故か、女子高校生のイントネーションで駅名を発音するウグイス嬢。
どうも、違和感を持つ。
違和感満載だぁ~~~!!
どっちかに統一しろよっ!!
と、ワケもなく怒りを顕わにする俺。
どっちでもいいじゃねぇ~~~か
でも、ホームのベンチの床には、
吐しゃ物の痕跡が必ずあるだろう?
どの駅のどのベンチでも、必ずその痕跡はある。
だいたいベンチの端っこにあるのが共通している。
こういうのって、洗い流しただけでは消えないのだろうか?
胃酸の威力に改めて寒心する。
んン~~~ん、こんな強酸を我ら人類は体内で操っているのだ。
・・・・・・
何気なく乗った車両、
そこで、俺は後悔する、
シマッタぁ~~
シルバーシート:
英語表記では【priority seat】
or
seats for the elderly and handicapped passenger
〔「handicapped は差別語だ」という人もあるので注意〕
に座っている中年のサラリーマンを発見する。
見たくない。
でも、否応無しに奴らは視界に飛び込むように俺を待ち構えているのだ。
シルバーシートで大また開きしたり、コレみよがしに手荷物を置いて、
できるだけ自分の隣に座らせまいと防御線を張る中年のサラリーマン。
あぁ"~~~~~ヤダ矢田・・・石田衣良。
ほどなく、気の強そうなオバハンがつかつかとやって来て、
そいつの隣の空間に尻をねじ込む。
中年のサラリーマンはいかにも面倒クサそうに、少し横にズレる。
ところが、ホンノ少しだけなのだ。
そういった、シルバーシート上のささやかなバトル。
取るに足らない次元の低さ極まったバトルを眺めながら、
俺はため息を付く。
オメェ~~ら、くたばっちまえっ!!
本気で思う。
くたばれっ・・・・・・と。
・・・・・・
それにしても暑い。
こう見えても俺は電力不足に貢献しようと思っている。
少しでも。
だから、昨夜はクソ暑かったにもかかわらず、冷房を点けずに乗り切ろうとした。
ウソじゃないぜ。
だが、消灯してしばらく、
左足の膝に蚊が止まったような感触。
もしそうだったとしても、蚊の一匹や二匹、
吸う血の量なんかたかが知れている。
蚊に吸われたからって、輸血が必要になるわけでなし・・・
俺はそういう寛大な気持ちで眠りに就いた。
ところが、耳元でプゥ~~~~~ン
オメェ、膝の血を吸わせてやっただろぉーが。
俺の寛大な気持ちを察しろよな。
・・・・・・
えぇ~~イ面倒な。
また、ハエハエカカカキンチョールの登場だ。
たった一匹の蚊の為に、どれだけのエネルギーが消費されることか。
たかがプゥ~~~~~ンのために。
・・・・・・
結局、エアコン入れましたよ。
たかがプゥ~~~~~ンのために。
オイっ、オメェ~らはニュースを見ていないんかっ!!
オメェ~らのために貴重な電力を消費しましたよ。
あぁ"~~~~~ヤダ矢田・・・石田衣良。
・・・・・・っというのですが。
如何でしたでしょうか?
これで、芥川賞だぜ。
こんなんでイイなら、
ぼくはノーベル文学賞だぜ。
・・・・・・
欲しいなぁ~~~
ノーベル笑。
その賞金で、一生(そんなに長くはないが)ビールを飲んで幸せに暮らせる。
以上。