北斎とジャポニスム展
国立西洋美術館で開催中の「北斎とジャポニスム」展を見てきました。
平日の午後と言うのにものすごい人込みでした。チケットはネットで購入しましたが、入場制限があり、入場するのに10分ほどかかりましたよ!
北斎の浮世絵は日本が開国したときに、日本の輸出品の包み紙として使われていた包装紙から最初フランスに伝わったようです。そこから浮世絵の人気がフランスに広まり多くの浮世絵がフランスに渡ったそうです。
19世紀といえば、当時の世界の中心はフランス。特に1804年にナポレオン皇帝が即位してからナポレオン大法典による個人の権利の保護やメートル法による単位の統一、組織だった軍隊と徴兵制などで、世界の最先端を行き、政治、経済、文化の中心だったのですね。
しかも古い概念から新しい概念に移る真っ最中。古い枠組みから新しい枠組みへの転換の真っ最中だったのです。
そうした中で、今までになかった自由な作風の浮世絵がフランスにやってきたので、それはフランスでは熱狂的に迎えられたのは当然の成り行きだと思います。
折しも当時はフランスでは17世紀以来、新古典派の影響下にあるアカデミーが美術に関する行政・教育を支配し、その公募展(官展)であるサロンが画家の登竜門として確立していた時代。
そのサロンに真っ向対立していたのが、見たままを自由に描こうとした印象派の画家たちなのですが、もしかしたら、印象派も浮世絵に刺激されて印象派になったのかもしれません。とにかく、フランスの絵画もこの時期を境に大きく移り変わっていくのです。それはそれまでの権威主義的なものから自由主義的なものに移るかのように。
少しここで当時のフランスの歴史について振り返ってみたいと思います。
1789年 フランス革命
1804年 ナポレオンによるフランス第一帝政
1815年 ナポレオンの百日天下、ワーテルローでの大敗北。
1816年 ブルボン朝の王政が復古し、ナポレオン派の大粛清。
1830年 7月革命でブルボン朝からオルレオアン朝の王政に。
1848年 2月革命で王政が廃止され、第二共和政に。
1851年 ナポレオン三世による帝政が復活
1858年 日仏修好条約
1862年 レミゼラブル発売
1867年 パリ万博 日本も江戸幕府が出展。
浮世絵も展示されジャポニズムのブーム起こる。
1868年 明治維新
1871年 普仏戦争。終了と同時にフランス第三共和制に。
1873年 パリで第一回印象派展
1889年 エッフェル塔が完成。
今回の「北斎とジャポニズム」展では音声ガイドを聞きながら展示物を見て回ったので、よく理解できました。
印象に残ったのは、人の動きの中で、一瞬「これは」と思うような瞬間がありますが、北斎はそれをよく観察して絵に残している思ったことです。
それから富士山を描くときに手前に木を配置したりと、今まで北斎の富士山を普通に見ていたので気づかなかったが、言われてみれば主役の富士山の手間に木を描くことは普通じゃないと気づかされたことです。
そういう部分では、日本人は浮世絵の影響を無意識のうちに影響を受けているのではないかと思います。実際浮世絵は対象物の枠線を書いています。これは西洋ではあまりないようです。
そして最後に当時のサロンに出展するような西洋の絵画と比較すると北斎の絵は自由な作風だと感じました。当時のフランスの絵画はサロンを中心とした厳格な世界。作風も厳格に決められており、自由な作風は幼稚だと相手にされなかったのです。そうした中で当時のフランスの人々や画家たちは、北斎の自由な作風に出会ったので、非常に大きな刺激を受けたと思います。
そう考えると今の日本はどうなのかなと思いました。
今の日本は本当に自由なのか?
海外からいろいろなものを取り入れるときじゃないのかなと思いました。
