企業戦士
先日、見本市に参加したときにいろいろな人に会いましたが、某素材メーカーの元営業マンと会いました。
一緒に仕事をしたのはもう20年近く前です。当時は中国がまだWTOに加入する前で、インターネットも今ほど普及していない時期でした。
その後、世界は大きく変貌し、その素材メーカーも別の素材メーカーに吸収合併されました。元の会社での不採算事業は廃止したり、他社に切り売りされたり、しかしその中でも新規事業などで、活躍できる人材、どこに行っても適用できる優秀な人材は、さらに競争力があり、将来性有望な部署に引き抜かれました。
国内にあった工場も不採算工場はどんどん閉鎖され、よりお客様に近く、コストが安い海外の工場が作られ、優秀な人材はそれらの海外工場の工場長やマネージャーとして海外赴任することになったのです。
中には中国工場に行って、家族と離れ離れになって8年以上経過した人もいます。8年間一度も家族に会っていないのです。まさに最前線の戦場で働く兵士です。
海外の競合先と戦ういうのはこれほどまでに大変なことなのかと思います。
しかし、前線で働いているそのような人が悲壮感を持っているのかというと全く事情が異なります。素材メーカーは国内の全ての金属製品の元となるため、日本の競争力向上にはなくてはならない存在なのです。
そのため、素材メーカーが倒れたときには日本の競争力は完全に地に落ちる。そういう使命感がとても強いのです。
素材メーカーの社員の方々がよくこう言われます。
「俺たちが日本を動かしている」
企業戦士とはそういう彼らのことを言うのだと思います。
そしてそういう人たちがいたことで、日本の競争力も非常に高まったのだと思います。
昔の仲間に会って、以前いろいろ一緒に仕事した素材メーカーの営業マンやエンジニアの話になったとき、そのすべてが全く別の会社に行ったことを知りました。
そんな話を聞いたとき、ぼくはなんてのんびりしていることかとふと思ってしまったのです。