中国の不動産業界、存亡に向けた「カウントダウン」か・・・市場は「調整が余儀なくされている」=中国メディア
広東省を拠点とする中国の不動産会社、光耀地産集団有限公司の郭耀名董事長はこのほど、中国メディアの21世紀経済報道の記者に対し、5億元(約81億円)の資金が不足していることを理由に、同社が保有する土地や手がけているプロジェクトを譲渡する方針であることを明かした。
21世紀経済報道は9日、「中小規模の不動産会社にとって、存亡に向けたカウントダウンが始まったのだろうか」などと報じた。
報道によると、光耀地産の9日までの借入残高は27億元(約441億円)にのぼり、うち民間からの借入は利息を合わせて20億元(約327億円)以上に達する。光耀地産は年間の売上高が約80億元(約1308億円)ほどの大手不動産会社だが、記事は高利での融資が光耀地産の利益を圧迫し、資金繰りを悪化させたと伝えた。
21世紀経済報道の記者が手に入れた資料によれば、光耀地産が深セン金信集団から借り入れた4億元(65億円)の資金に対し、光耀地産はすでに利息を含めて6億元(約98億円)を返済したが、それでもまだ3億元(約49億円)の債務が残っている。
さらに、深セン志威集団から借り入れた2億元(約32億円)ほどの資金についても3億元(約49億円)を返済したものの、同じく3億元の債務が残っている状態だという。
記事は「不動産市場が調整を余儀なくされている現状において、光耀地産の姿はわが国における中小規模の不動産会社の縮図だ」と主張。さらに、深センで中小規模の不動産企業向けに資金を提供しているプライベートファンド関係者の話として「銀行から融資を受けられなくなった民間の中小不動産企業はみな高利で融資を受けている」と伝えた。
不動産仲介大手の中原地産の張大偉・主席アナリストは、中国の不動産市場について「すべての不動産会社は2012年以来でもっとも緊迫した時を迎えている」と指摘。市場低迷によって流入する資金量が激減し、不動産の取引量も減少していると語った。
さらに張主席アナリストは、不動産会社の多くが資金繰りの悪化に直面していることを指摘、今年の不動産販売が落ち込めば、高利で資金を調達していた不動産会社は危機に陥る可能性があると語った。