【ご恩はもう十分に頂いている】 | Live with Max.

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世の中のあらゆることは、人間関係に行きつく。
そんな視点でいろんなことを考えながら書いています。

もう暫く休まないとマズイかな
と思ったのですが、肩の調子が
回復しました!

PC用メガネを使用してから、そ
こそこ効果はあったのですが、一
時的にパソコンと向き合う時間
がかなり長くなったためと思わ
れます。




2月26日のブログ
【会社に不満がある20代の君へ】


について、ブログの感想をよく
伝えて下さるKさんからこんなこ
とを言われました。


『いつも自分の反省とか失敗に
ついての内容なのに、珍しいで
すね。若い人に指南をするよう
な感じで。』


鋭いご感想。
さすがKさんです。

『じゃぁ今度それについて書い
てみますね』

そうお答えしてから、冒頭のよ
うな事情でお休みをいただき遅
くなってしまいましたm(__)m


あのブログは・・・


僕に質問をしてきた相手がたま
たま20代の男性だったので、
あんなふうに書いたが、タイト
ルや文中にでてくる「20代の
君」とは、実はその質問してき
た彼ではなく、別な人物に宛て
たものでした。






僕がかつてお世話になっていた
TDK時代。


僕も20代半ばくらいの年令の
時には、周囲や会社への愚痴を
吹聴しながら

『この会社で働き続ける気はない』

と、『質問の彼』とおんなじこ
とを言っていた時期があった。



ある日のこと、遅い時間まで残
業をして疲れた僕は、一休みし
ようと休憩室へと向かった。


僕がいた工場には、食堂以外に
60人くらいは座れるスペース
の休憩室があり、そこにはパー
ティションで仕切られただけの
ミーティングルームも3つあっ
た。


休憩に入った時の時間はすでに
夜中を過ぎていたため、周囲に
は誰もいないが、ミーテイング
ルームからは声が聞こえてくる。


その声で、別な部署の伊藤係長
(仮名)と部下の高橋さん(仮
名)であることがわかった。


伊藤係長はまったく違う部署で
はありましたが、いつも僕に声
をかけてくれる。


当時まだボデイビルはしていな
かったものの、トレーニングは
夢中でやっていて、カラダつき
もどんどん変わっている伸び盛
りの僕を見て、いつも

『おめぇ、本当にすげぇな。』

と言って僕のカラダをポンポン
と叩いていた。


競技をしているわけでもなかっ
た僕のカラダのつきをみて、殆
どの人から、

『そんなに筋肉つけて、何する
気なのや?』

と皆に言われていた時期だった
が、伊藤係長だけは違った。



それだけではない。
伊藤係長は、仕事の上でも僕を
応援してくれるような言葉をか
けてくれていた。


『内海、おめぇ頭いいんだがら
よ、頑張ってはやぐ偉ぐなれ。
おめぇみたいなのが伸びでくる
のが一番だ』


まだまだ信頼もされていないし、
決して認められているわけでも
ない。でもそんなことを言って
くれる数少ない一人で、いつも
ありがたく感じていた。



伊藤係長と高橋さんの話は、僕
と年齢の近い若い社員の話題に
なっていた。

いくらパーティションで仕切ら
れているとはいえ、誰もいない
部屋では声がほぼはっきりと聞
き取れる。


二人は、誰もいないと思って話
しているに違いない。


僕がいることに気付かれたら何
か気まずいな、と思い音を立て
ないようにそっと席をたとうと
した時、


『そういえば、内海まだスタッ
フルームで頑張ってたな』


と高橋さんが言うと、伊藤係長
がこう言った。

『あいつももっと頑張ればいい
のに、どうせやめていく人間だ
からな・・・』


それを聞いた時の動揺は今でも
忘れられない。伊藤係長のその
言葉だけは鮮明に頭に残ってい
る。


僕が、いずれこの会社はやめる、
と言いながら働いていたことが
伊藤係長にまで知られていた。


僕は急いで、静かにその場を去
った。気持ちはもう仕事どころ
ではない。


僕は自分の言動のバカっぷりに、
カラダが震えるほどの後悔をし
た。


僕みたいな社会人失格者に、い
つも励ましや期待の言葉をかけ
てくれていた伊藤係長。


スタッフルームに戻りデスクに
両肘をついて頭を抱えこんだ。


当然伊藤係長の耳には、僕の幼
稚な周囲への愚痴も届いていた
はず。


社会人になってたかだか数年し
か経験の無い、狭い世界しか知
らない人間のクセに!


ただただ後悔するばかり。
伊藤係長の本音だったからこそ、
重かった。



伊藤係長のことをがっかりさせ
たり、裏切るようなことをして
いるつもりなんて全然なかった。


でも、それは僕の中でだけのこと。


当時の僕が何か自分の夢や理想
を掲げてそれに向かっているだ
けならまだマシだったろう。


だが、僕は社会人の大先輩達と
時には社長をも批判し、『この
会社でずっとやる気はない』と
のたまわっていた。


先日のブログで登場した

『上司のせいで自分のやりたい
ことことが出来ない。今の職場
はいずれ辞める』


初対面の僕にそう息巻いて話す
「彼」を見ながら、僕はその時
の自分を即座に思い出していた。


【20代の君へ】は、その「彼」
ではなく、過去の自分。
当時を思い出しながら書いた内
容でした。


なのでKさんが感じたように、ど
こか「上目線」的な言い回しも
あったかと思います。



人の良いところがどんなに評価
されようとも、それはすぐに忘
れさられてしまうのかも知れな
い。大きな1つの短所のために
相手をがっかりさせてしまえば。


あの時の出来事で、僕はそんな
ことを痛感した。


でも、僕はそんな失敗を、今で
も繰り返してしまっているかも
知れない。


伊藤係長の話は、僕がたまたま
耳にしてしまったこと。がっか
りしているような口調で『もっ
と頑張ればいいのに・・』と言
ってたのを聞いた時、僕は初め
て気づいた。


伊藤係長は僕だけではなく、周
囲にも僕への期待を話していた
のだということを。


人は自分の知らないところで、
誰かをがっかりさせたり、迷惑
を掛けたり、気を遣わせてしま
ったりしている。


人は自分の気づかないところで
誰かに応援され、支えられてい
る。


だから、新たに何かをしてもら
わなくても、たくさんの情けや
恩を、もう十分にいただいてい
る。既に十分過ぎるほど。


その恩には報いなくてはいけな
い。それが道理。


遅すぎたが、TDKを退職してか
ら伊藤係長のことを思い出し、
そんなことを思うようになった。


会社や周囲の人達へもっと恩返
しをしてから辞めるべきだった
のではないだろうか?


その思いを僕はTDK退職後もず
っと引きずることになる。それ
もつい最近まで。


その思いをお酒の席でポロッと
今の上司に漏らしてしまった時
のブログ

【神様からの宿題】
http://ameblo.jp/firewalking/entry-11256706795.html


いただいた恩には必ず報いなく
てはいけない。


僕はそれが出来ているとは、ま
だまだとても胸を張って言える
ほどではない。


行動に移せていなばかりか、恩
返しのつもりが、相手を息苦し
くさせてしまったり、罪滅ぼし
のつもりが、余計に相手を傷つ
けてしまったり。


情けないが、そんな失敗も未だ
に少なくない。


それでもなお、恩には報いる努
力はやめてはいけないし、自分
の気づかないところでかけてい
ただいている情けや応援がある
ことを忘れてはならない。


伊藤係長の出来事をまた思い出
し、もし、当時の僕へ今何かを
伝えることが出来るのなら。
半分くらいはそんな気持ちで書
いたブログだったのでした。


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