り久しぶりにゼイナブに会えたので、おばあちゃんはとても喜びました。
テーブルをはさんで、ゼイナブのお話を、聞きました。
さっき、ゼイナブが来る前に、庭のマンゴーの木から、おいしい実をもいできました。
それをジュースにして、冷蔵庫に入れておきました。
冷たいジュースを飲みながら、おしゃべりしています。
「おばあちゃん、私ねえ、野球がしたいんだよね。」
ゼイナブは真っ先にそのことを言いたかったようです。目をキラキラさせています。
「公園でお友達誘ってやってみたら?」
と、おばあちゃん。
「うーん、でも男の子がやることが多いでしょう?」
と、少し不安になったゼイナブに、おばあちゃんはニコニコしながら、言います。
「イブラヒム、誘ったらどうだい?あの子、近所だし、仲がいいだろう?」
「うん!でも、ほかに野球やりたいと思ってる女の子、あまり知らないんだよね」
「じゃ、ジュース飲んだら、おばあちゃんと、キャッチボールしようか。」
「え?」
「慣れてきたら、今度イブラヒムにも頼みやすいだろ?『キャッチボールできるから、一緒にやろうよ』ってね。」
「ああ、でもその前に、魔法使いの友達ができたっていう話、聞きたいな」
「ああ!仕事仲間ね。好きなことを仕事として始めて、前よりお金持ちになった友達のことさ。
その1人が、家にあった野球のボールを、この前おばあちゃんにくれてね。
草野球、みんなで楽しみながらやる野球の監督さんでね。まだ1、2回しか会ってないけど、『うちにボールたくさんあるから、おばあちゃん、お孫さんにあげたら喜ぶよ』だって!
あんたのこと、まだ1度も話してなかったのに、だよ。
そしたらゼイナブ、さっき『野球したい』って言い出したから、ちょっとびっくりしたよ!」
そう言って、大声で笑いました。
「仕事始めてから、こういう不思議なことが増えてね。
やっぱり、枠組みにとらわれないで始めたら、いろいろ変ってきたねえ。」
なんだか、ちょっと難しいことをつぶやいて、おばあちゃんはテーブルから立ち上がりました。
ゼイナブも、空になったコップを置いて、立ち上がりました。
おばあちゃんの仕事のこと。
「魔法」のこと。
キャッチボールをしながら、ゼイナブに話してくれるのでしょうか?
次回をお楽しみに!