みなさん、こんにちは。
みなさんは近年放映されたフィレンツェのメディチ家のドラマはご存知でしょうか?
イタリアでは「 I medici (イ ・ メディチ)」 シリーズ3まで放映、 日本では「メディチ」 というタイトルでシリーズ1まで放映されている「TVシリーズ メディチ」について私一個人の偏見と意見による概要の一部をご紹介させて頂きます。
(*この記事は2020年1月時点の話です。)
イタリア英国合作品で、イタリアでの放映は半国営テレビRAI TV
TVで放映された期間は
<シーズン1>
2016年10月18日から11月8日にかけて 全8話
(メディチ家の"老コジモ" コジモ・デ・メディチ( "Cosimo il Vecchio" ,Cosimo De Medici)の青年期と、フィレンツェからの国外追放をへて、フィレンツェの帰還とその後の物語)
<シーズン2>
2018年秋10月23日から11月13日にかけて 全8話
(メディチ家の老コジモの孫の"偉大なるロレンツォ"ことロレンツォ・デ・メディチ("Lorenzo Il Magnifico" ,Lorenzo De Medici)とその弟ジュリアーノ・デ・メディチ (Giliano De Medici) の青年期の物語で、パッツィ家の陰謀事件が起こるまでの経緯とそれらをとりまく状況が描かれ、パッツィ家の陰謀により弟のジュリアーノが暗殺、その直後ロレンツォとフィレンツェ市民による事件の首謀者たちへの壮絶な復讐劇へと発展するお話)
<シーズン3>
2019年12月2日から12月11日にかけて 全8話
(パッツィ家の陰謀事件後の、事件を発端としたロレンツォ自身とひいてはフィレンツェ共和国の教皇との対立、和解までの経緯、そしてロレンツォの死までの物語)
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イタリアでのTVでの放映は上記のとおりですが、
これ以外にもRai PlayというRaiのネット配信サービスではグーグルなどのメールアドレス、
フェイスブック等のアカウント等を利用してRA IPLAY上で登録をするなどの簡単な手続きだけで無料で好きな時にメディチのドラマを好きなだけ見ることが出来ます。
(*赤字の部分は追記 ↓↓↓↓↓
「好きな時に」、と書きましたが一月の前半にメディチドラマが見れるサービスは終了してしまいました。
視聴期間等の記載は特になく、サービス終了前の数日前からサービス終了期限が表示されるのみで
2020年現在ではいつからいつまで見れるかなどの予測は不可能です。でも、もしかしたら、またメディチ家のドラマの新シーズンが出た時や年末年始などの一定期間の間 時々見れるかもしれないので、見たい方はその時を狙ってライ・プレイをチェックしてみてください)
・・・が、
恐らくイタリア国外からのアクセスには制限がかけられると思われますので
残念ながらRaiplayは日本からは見ることが出来ないと思われます。
というのも、ドラマや映画は各国によっていろんなライセンス・権利など
営利関係状などの理由で国外からのアクセスには制限がかかるようになっています。
このメディチのドラマは2020年の現在は日本のHulu という有料ネット動画配信サービスでみれますが
(*注意 2020年1月現在では日本ではシーズン1までが閲覧可能です。日本在住の皆さまにとって今後に期待ですね)
イタリア在住の人間が日本語でメディチのドラマみたいな~、と思っても
無料とかいてあるトライアル版ですらエラーが出てみることが出来ないのです。(;-;)
なので、もしイタリア在住の方限定になりますが
メディチ家のドラマまだ見てない方はRaip Playから見れますのでよろしければ下のサイトからご覧ください。
ついでに、このRaiplayについての余談になりますが、2016年の<シーズン1>の初めて10月に放映された
放送日よりもなんと数日早く先行して、このメディチ ドラマを見ることができました。
半国営のライ・テレビではシーズン1のメディチ家のドラマについての宣伝と同時にライプレイのネット動画配信サービスの宣伝も大々的に行われていて、メディチ家のドラマのように老若男女ともに話題性のある番組と共に宣伝することにより
ネットで色んな動画が見れるサービスをネットで動画を見ることに慣れてる若い層以外の
年齢層にも少しづつ浸透させるアピールに利用していると思われます。
ちなみに先月放映されたばっかりの<シーズン3>のTV放映の分はまるまる見るのを忘れてしまったので
今回は全てライ・プレイ上のオンデマンドでみたあと、そして久しぶりにシーズン1・2もう一回見直すこともできました。
TVと違って、
シーズン1~3までの各8話、合計24話を一気に好きな時に見れる、
しかも言葉を聞き逃してしまった場合は何回も再生ができるので、
聞き取りがやや難しい外国人の私としてはとても便利で快適でした。
利用できる方は是非お試しください。
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さて、前置きが長くなりましたが華麗なる歴史ドラマ風フィクション「メディチ」のストーリーの内容についてです。
まず第一にこのメディチ家のドラマに興味を持ってくださった方にお伝えしたいのが
このドラマはフィクションだという事です。
ストーリーの内容は史実に残る複数のエピソードと、完全なるフィクションを混ぜこぜにした、
ドラマティック・ロマンティックな内容にかつ推理小説の要素も少し加えさながらミステリー小説のように見る人をひきつけるストーリーと、
美しい俳優陣と(若干現代的にアレンジされたとわかる)洗練された時代衣装、
そして今でも残るイタリアの中世の街でのロケーション、どれをとっても素晴らしいのでフィクションのテレビドラマとしてはかなり出来は良かったと思います。
ただ、私が心配する事はフィクションの内容が史実かのように一般の方々に誤解を与えてしまい、将来的に史実ではない内容の部分がまるで実際に起こったかのような認識に変わってしまうのではないか?という事です。
物語では、うら若い青年時代の純粋な恋愛エピソードや
親に決められた政略結婚であってものちに愛し合うようになるほほえましい夫婦愛があるところも見せてくれますが、
まるで汚い銀行家とか、愛人とのどうこうを面白くクローズアップされ
金銭欲、愛欲、権力欲や、そしてメディチ家という血にとらわれた汚い一族だったというふうに誤解をされかれない描写もところどころにあり
それによって、ルネッサンス文化に大きな影響を与えたメディチ家の功労がすり替えられてしまうのではないか、と懸念しています。
特にメディチ家の歴史を知らない方にはこのドラマを見る際にはあくまでも見世物としての脚色が実際にあると意識しながら見ていただきたいと思います。
もちろん、メディチ家が世界一の銀行家になるには汚い事にも当然手を染めた事もあるだろうと考えられますし、結婚外での愛人の存在もあったかもしれません。
しかし一般的に善悪とされる規定とは次元の異なる非常に高い世界観を持って生きてきたメディチ家に対してドラマを通して現代社会における物差しで悪い印象をつけようとしていることにあきれると共に悪意すら感じます。
このままでは過去記事にかいた ⑧チェッレート・グイディ<イザベッラ・デ・メディチの悲劇>の二の舞になりかねません。
イザベッラについて簡単に説明しますと、従弟との不倫が原因で夫の怒りをかい、ヴィラで夫に絞殺されたという話が
後にジョン・ウェブスター John Webster (1580 ?– 1634?年)という英国人劇作家により白い悪魔という劇にされ有名になったのですが、
そういった話が何世紀にも渡り語り継がれつい最近の数年前まで定説として信じられていていました。
(実際私が買ったメディチ家について歴史本についても、この悲劇が史実であるかのように書かれていました。)
しかし、ごく最近になってから本当は夫婦は愛し合っていて、死因は病気だったという事実が明らかになったのです。
イザベッラの悲劇についてはもう少しだけ詳しいことが過去記事に書いてありますので、宜しければそちらもご覧ください。
話はフィクションの「メディチ」に戻ります。
このメディチ家のTVドラマがフィクションであるというのはきちんと公表されていること、
イタリアでは 「フィクション イ・メディチ 」とうたっていますし、
ドラマのエンディングミュージックとの時には下記のような注意書き(緑色の字の部分)がほんの数秒間小さい文字で表示されます。(シーズン1~3まで共通です)
SEPPUR ISPIRATI A FATTI REALMENTE ACCADUTI ,NOMI, EVENTI,PERSONAGGI
PRESENTI NELLA FICTION SONO FANTASIA. FRUTTO DELLA LIBERA
ESPRESSIONE ARTISCTICA DEGLI AUTORI. PERTANTO OGNI RIFERIMENTO A FATTI,
LUOGHI E PERSONE REALMENTE ESISTENTE E' DEL TUTTO CASUALE.
実際に起きた事件や実在する名前、出来事、登場人物にインスピレーションをうけたとしても、フィクションの架空の話で、芸術的表現の自由に基づく制作者らによる産物です。それゆえ、物語に登場する実在する地名や実在する人物名は全て偶然です。(*訳 フィレンツェの天翔船 )
このように、初めからフィクションとうたってるし、史実や事実と異なっていても
製作者側には何の落ち度も悪意もないんだよーときちんと断り書きがされています。
ですから、これは見る側がきちんとそれを理解してドラマを楽しむしかないと思います。
メディチ家の物語が、これから先「中世のソープオペラだと揶揄され繰り返しメディア化されているボルジア家」と同じように扱われることがないよう、メディチ家の歴史を知り、それらを認識しつつドラマを観賞しまた、それらの内容を絶対に鵜呑みにしないように気を付けていきたいです。
この「メディチ」についてはまだまだ書きたいことがありますので、もう少しお付き合いください。
それでは次回もお楽しみに('ω')ノ
フィレンツェの天翔船より
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