先週、ピピウが無事6歳の誕生日を迎えました。
あの悪夢から6年…。
もうそんなに前のことなのか…としみじみ感じるようになりました。
未だに思い出すだけでもぞっとしますが。
(ピピウは妊娠26週目、かなりの早産で生まれました。)
イタリアの幼稚園では誕生日の子の親がケーキやジュースなどを持参して、クラスで祝ってもらうのが多いです。(たぶん)
幼稚園1年目はコロナのため、ケーキなど食べ物の持ち込みはできず。
去年は個別包装されたプラムケーキなどならOkだったようですが、ピピウ、誕生日の週に発熱し、たしか1週間~10日くらい幼稚園を欠席していたので、クラスで祝ってもらうことをせず。
幼稚園最後の今年こそは!と思って私ははりきっていました。
3月に入ってすぐ、先生にどういった物を持ってくればいいか聞きました。
ケーキを持ってきてもいいけれど、包装された既製品であること。
衛生面、アレルギーを考慮して手作りはNG。(既製品なら原材料名が全て表記されているので、アレルギーのある子にとって安心という理由かららしい。)
ろうそくは「6」の数字の1本だけOK。
ジュースも持ってくる場合は紙コップも持参すること。
甘いお菓子を好まない子もいるので、スナックもあったほうがいい。
ということでした。
ピピウのクラスは20人+担任の先生2人
ケーキ3つ(それぞれ直径18cmくらいのケーキ)、フルーツジュース4L、ポテチ、ポップコーン、チョコレート、ろうそく、紙コップ、紙皿、ナフキン、フォークを準備しました。
これらの物を大きな袋2つに入れて、ピピウの誕生日当日に持って行くことにしました。
しかし、その大きな袋2つを見て、ピピウが
「マンマ、これ、幼稚園に持っていかない。」
と言うのです。
どうしてそんなことを言うのか聞いても
「どうしても。」
と言うだけで、理由を言いません。
誕生日前日には
「幼稚園にはケーキもお菓子も持って行かない。」
と言って、泣き出す始末…。
何で?
理由を聞いても、相変わらず答えません。
泣くピピウをなだめながら
「でもさ、もう準備しちゃったから、明日、とりあえずこれを幼稚園に持って行こう。
どうしてもピピウがケーキやお菓子が欲しくないなら、先生に言えばいいよ。」
と言って、なんとか説得しました。
そして、誕生日当日…
大きな袋2つ下げて幼稚園へ行くと、ピピウのクラスメイトたちがすぐにピピウの誕生日パーティーがあるんだと気付きました。
お友達やその保護者に「おめでとう!」と言ってもらって、嬉し恥ずかしそうなピピウでしたが…
クラスメイトの仲良しのAくんがピピウのところに来て、私が持っている袋の中を覗き、ピピウにこう言ったのです。
「先生はケーキを持ってきちゃいけないって言ったのに、ピピウは持ってきた!ダメなのに!」
他にも何て言ってたかよく聞き取れなかったのですが、とにかくケーキを持ってきたことでピピウを責めるのです。
別にAくんは悪い子じゃありません。
仲良しの子です。
ピピウはAくんにそう言われて、また泣きそうな顔…。
無言のまま、私の隣に立っていました。
私はどうしてAくんがそう言うのか分からなかったのですが、
「私が先生に何を持ってきていいか聞いたよ。
先生はケーキやお菓子を持って来ていいよって言ったから持ってきたの。
だから、大丈夫。」
とAくんに言うと、
「ダメなのに。」
と続けるAくん。
「そうなの?じゃ、せっかく持ってきたのに...食べないの?」
と聞くと
「…。もう持ってきちゃったんだから、僕も食べるよ。」
とAくん
ピピウは少しうつむいたまま幼稚園へ入っていきました。
私は先生に荷物を渡して、幼稚園を後にしました。
この日、私は用事があって、ピピウのお迎えに行けず、ダンナがお迎えに行ったのですが…
冠を頭につけ、上機嫌のピピウが幼稚園から出てきたそうです。
幼稚園でみんなに祝ってもらい、持参したお菓子をみんなで食べ、とても楽しかったようです。
それからダンナは実家へピピウを連れて行き、私が用事が全て終わってから、ピピウを実家へ迎えに行きました。
ピピウに誕生日パーティーはどうだったか聞くと、「すごく楽しかった!」と満面の笑顔で答えました。
でも、相変わらず、どうしてAくんがあんなことを言ったのか謎だったんです。
そのことをダンナに話すと…
「あぁ…もしかして…」
とダンナが言った理由は…
このAくんの誕生日は去年の秋でした。
去年までは多分、コロナ対策で一つ一つ個別包装されたお菓子はOKでも、ケーキの持参はダメだった...かも…。
確かに、幼稚園でAくんの誕生日パーティーをしたとは聞いていません。
そのことをAくんはピピウに言って、ピピウは"じゃあケーキを持っていってはいけない"と思ったのかなと。
あくまでも私たち夫婦の想像ですが。
でも、誕生日の後、幼稚園での誕生日パーティーの様子を楽しそうに話すピピウを見ていると、誕生日前に抱えていた問題は解決したのだろうなと思います。
6歳。
私が思っているよりも、ピピウにはピピウの人間関係があって、考えたり、それなりに気を遣ったりしているのでしょうね。
その成長が嬉しいとともに、これからだんだん複雑になるんだろうな…と不安を覚えるのでした
でも、何よりも6歳の誕生日を無事に迎え、楽しくお友達や先生と過ごしてくれたことが嬉しいです。
家でも小さなパーティーを私たち親子3人だけでしました。
お誕生日、おめでとう。
生まれてくれて、ありがとう。
生きてくれて、ありがとう。
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