今回の入院のこと③ | 憧れの(?)Italia Firenze生活

憧れの(?)Italia Firenze生活

イタリアはフィレンツェに住みつき早十数年。
日本語を教えながら、イタリア人の夫と息子と暮らしています。
私の平凡なイタリア生活の実態を御紹介♪

個室に通され、手術をしてくださったドクター二人から説明を聞きます。

イスに座る前にまず外科副医局長が、
「とりあえず、小腸は少しも切らずにすんだことを先に言っておきますね。」
と。

最高の報告でした!

では、一体何が原因だったのか…。

腸の通りを細くしていたのは一体何だったのか…。

副医局長が説明を進めますが…



病名、臓器の名前がイタリア語でサッパリ分からない私チーン


思わずダンナの方を見たんですが、どうやらダンナも何か分からなかったようで…

「どういう事ですか?簡単に言うと…?」

と、ドクターに質問しました。

結局、どうやら胆嚢が炎症をおこし、小腸を圧迫して小腸の通りを細くしていたようなのです。

日本語では胆嚢炎…でしょうか。


ピピウのような乳幼児には大変珍しい病気らしく、これまで何十年と経験を積んできた外科医局長(多分60歳以上?)でさえ、「私はこれまでたくさんの赤ちゃんたちの手術をしてきたが…乳幼児でこの病気というのは2例しか見たことがない。」とのこと。

「乳幼児の開腹手術の際はまず丁寧に臓器を確認していき、問題の部位を見つけるのだけれど…今回は想像もしていなかったため、どこに問題があるのか見つけるのに少し時間がかかった。」とおっしゃってました。

でも、とりあえず、今ある小腸は全て残せたことと、直接腸に問題があるわけではなかったことは、本当によかったです。

説明が終わり、部屋を出ていく医局長と副医局長。
医局長は「ありがとうございました!」と繰り返して言う私の顔を見て微笑みながら、私の頬を手でポンポンと軽く撫でました。
ホッとして、よっぽどマヌケな顔をしていたのでしょうか?
医局長は私の父より少し若いくらいの歳だと思うのですが…医局長の「父親としての顔」を見た気がしました。


心配してくれてたNICUのドクターや看護師さん、知り合いの両親達にも報告。

良かったと胸を撫でおろしました。


それから、廊下で、ピピウの手術前に出会った元NICUの看護師さんに会いました。
彼女にも手術の結果を報告しようとすると…

「知ってるわ。ピピウの手術中、心配で傍にいたの。ピピウのお腹が切られるのを見るのは、胸が引き裂かれる思いだったけれど、でも、ピピウ、頑張ったわ!本当にこの子は強い子よ。だから、マンマも頑張って!」と、またギュッと抱きしめてくれました。
よく知っている、信頼できる看護師さんが手術中にピピウの傍にいてくれたと思うと、嬉しくて泣かずにはいられませんでした。
感謝の気持ちでいっぱいでした。




それから、これは私がダンナから聞いたんですが、廊下でピピウの手術に立ちあってくれた麻酔科の研修医さんに会ったそうなんです。
ダンナは研修医さんに「今日は本当にありがとうございました。」とお礼を言ったそうです。
すると、研修医さんはこんな話をしてくれたそうです。

「今日のピピウの手術の前に執刀医の医局長がこれまでのピピウのストーリーをスタッフに話してくれたんです。
そして "どのオペも大切だけど、ここまで頑張ってるピピウのために、私たちも最善のオペをしよう。"とおっしゃってましたよ。」



ダンナ、それを聞いて超感動。

ダンナからその話を聞いた私も超感動。



NICUにいる時からそうでしたが、本当にこの病院のドクター、看護師、スタッフには、一生感謝しても感謝しきれません。

皆さん、ピピウのためにいつも一生懸命やってくれます。
私とダンナを精神面で支えてくれています。

本当に信頼できる病院とそのスタッフに会えたことは、何よりの幸運だったと思います。


手術後、念のためにICUに入ったピピウ。
ICUはNICUと繋がっています。

勤務交代時間の頃、NICUのドクターや看護師さんたちがピピウの様子をわざわざ見に来てくれました。

みんな「ピピウ、またがんばったね!お母さんもよく気づいて病院に連れてきたね!」と褒めてくれました。

半年通ったNICU。そのスタッフの顔を見ると本当にホッとします!

手術から一夜明け…外科の普通病棟に移ったピピウ。

現在もそこに入院中です。

クリスマスは…病院かな?家かな?微妙なところですが、重要なのはピピウが元気であること、安全であること。
ピピウと過ごせるクリスマスなら、場所なんてどこでもいいよ。




今年は本当に多くの人たちに助けていただき、感謝の気持ちはつきません。

ピピウが生まれてからまだ9ヶ月ほど。
しかし、この9ヶ月ほど命と健康の大切さを知り、当たり前のことがどれだけ幸運なことかを実感し、人のあたたかさに触れたことはありません。

だから、ピピウも私もダンナもまだまだ戦えます。
どんな困難でも、3人で立ち向かって、一つずつクリアしていくんです。

そういうと、可哀想とか、不幸だと思われるかもしれません。
でも、ピピウと私たち夫婦は可哀想でも不幸でもありません。
生きていることがこんなに嬉しく、一緒にいられることがこんなに幸せだと感じられるのですから。

言葉で何と表現していいのか分かりませんが…今年は大変だった反面、人生において本当に大切な事が見つかった、分かった…そんな気がしています。










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