「てんぷら 近藤」と「中国飯店」の上海蟹
少し古い話題ですが…。
洋一のグループ展の期間中、
久しぶりに「てんぷら近藤」でランチをしました。
コースの最初に出てくる海老。
日本を代表する天ぷら職人、近藤文夫さんのお店です。
21年間、お茶の水「山の上ホテル」の「天ぷらと和食の山の上」の料理長として活躍された後、銀座に「てんぷら近藤」をオープンしたのが1991年。2004年のビルの改築に合わせお店もリニューアル。
並木通りに建つ砂岩のような質感のビルの1Fはエポカ ブティック。7Fには「レディタン ザ・トトキ」が入っています。「レカン」で長く料理長を務めた十時亨さんが独立して始めたフレンチの名店です。
http://www.totoki.jp/
8Fにはこちらも超名店、倉田正樹さんの美容サロン「アンフルラージュランジエ」 。
倉ちゃんこと倉田正樹さんは実は私達のとっても古~いお付き合いの大親友。日本最高(世界でも!)のヘアー&メイクアップ・アーティスト。絶対のお勧めです。
http://enfleurage-salon.com/
寄り道してしまいましたが、
「近藤」の天ぷらの紹介です。
お昼は二つのコースメニューがあります。
毎朝仕入れる素材なので日によって構成も変わります。
名物のサツマイモの天ぷらは、蒸らしを入れると40分近くかかるので注文する時は早めに。
この日は7350円のお昼のコースです。
冒頭の海老のかしらに続いて、海老の身
薄い衣、中は生に近いまま、海老の甘さが絶妙。
アスパラ
アスパラの旨味が美味しい。
素材によって最適な油の温度も、揚げ時間も変わるので、衣の色もそれぞれ微妙に違います。
ピーマン
ヘタも種も丸ごと食べられる絶品ピーマン。北海道から直送の「あきの」と言う品種です。
はぜ
蓮
椎茸
カサゴ
以上、感想省きましたがどれも絶品。
タマネギ
甘いタマネギ。野菜の天ぷらはどれも本当に美味しい。
衣の薄さにも注目。
江戸前のアナゴ 菜箸でパンと二つに切って出されます。
塩で食べるのがおすすめ。
仕上げは天茶
小柱のかき揚げをお好みで、天茶か天丼で頂きます。
デザートはイチジクのワイン漬け
中身です
以上、ランチに7000円はたしかに贅沢ですが、
内容を考えれば大満足。
天ぷらの神髄を極めると思えば、むしろお安いのでは?と思いました。
おまけ。
翌日の夜は六本木「中国飯店」の上海蟹でした。
こんなふうに身を取り出してくれるのがこのお店の特徴。
ご一緒した上海在住の紳士は「邪道だ」とおっしゃっていました。
確かに、しゃぶりついて殻のエキスももれなく頂くのが通の醍醐味かも知れませんが、ものすごく楽なのも事実。知ってしまうとこの上ない贅沢。
お腹を見せているのは雌。
蟹子はこの時期の楽しみ。
こちらは雄。
かなり大型。身はこちらの方がしまっていて旨味も濃い。

こんな形でサービスされるのでとても上品に食べられます。

蟹肉と卵白のあんかけチャーハン。
こちらも大満足。蟹尽くしの一夜でした。
てんぷら 近藤
中央区銀座5-5-13 坂口ビル9F
03-5568-0923
月~金 12:00~13:30(ラストオーダー)、17:00~20:30
日曜・祝日の月曜日は休み
昼のコース 5250、7350円
夜のコース 8400~15750円
てんぷら 近藤 (こんどう)
中央区銀座5-5-13 坂口ビル 9F
03-5568-0923
上海蟹
中国飯店 六本木店
港区西麻布1-1-5 オリエンタルビル1F
03-3478-3828
月~金 11:30~15:00
月~金 17:00~04:00(03:30、ラストオーダー)
土 11:30~04:00(03:30)
日・祝 11:30~23:00(22:30)
http://www.chuugokuhanten.com/index.html
「アンフルラージュ ランジエ」
〒104-0061 東京都中央区銀座5-5-13 銀座坂口ビル8F
03-5568-2211
平日13:00~21:00(パーマは20:00まで)
祝祭日 10:00~18:00(パーマは17:00まで)
火曜定休
http://enfleurage-salon.com/
フィレンツェの最後の晩餐 その1

「最後の晩餐」
1447年
アンドレア・デル・カスターニョ
Andrea del Castagno
(1423, Castagno-1457, Firenze)
サンタポッローニア修道院食堂
1447年、
アンドレア・デル・カスターニョが、フィレンツェのサンタポッローニア修道院食堂に描いた「最後の晩餐」。
レオナルド・ダ・ヴィンチがミラノで「最後の晩餐」を描く50年ほど前のことです。
壁面全体はこんな感じです。

Cenacolo
affresco, 453 x 975 cm
Sant'Apollonia, Firenze
最後の晩餐の上部には、左からイエスの受難の3つの場面「復活」「磔刑」「十字架降下」と、宙を舞う天子達が描かれています。
3つの場面を「トスカーナの風景を絵画史上もっとも巧みに演出したもの」(ペルティ)と評されるトスカーナ風景が結びつけています。残念ながら保存状態は良くありませんが。

「キリストの受難」
壁画のこの部分は、壁から剥離し修復された後、元の壁に戻されています。
そのさい壁画の下から現れたシノピア(褐色の線描による下絵)が同じ部屋に展示されています。
アンドレアの素描家としての非凡な側面を知る事が出来る貴重な資料です。

「キリストの受難のシノピア」
Synopia

同上、左上天使の部分
「復活」の場面はピエロ・デッラ・フランチェスカの同主題のフレスコ画と良く似ています。
比べてみてください。

アンドレアの「キリストの復活」

ピエロの「キリストの復活」
1463-65年
Resurrection
Piero della Francesca
(b. 1416, Borgo San Sepolcro, d. 1492, Borgo San Sepolcro)
affresco/tempera, 225 x 200 cm
Pinacoteca Comunale, Sansepolcro
アンドレア(カスターニョ)の作例の方が10数年早いので、ピエロが影響を受けたと考えるのが自然です。
アンドレアの「最後の晩餐」に戻ります。
壁画の中央部分です。

手前はユダ、テーブルは左から聖ペトロ、イエス、使徒(福音記者)ヨハネ※。
足元に〈名札〉が描き込まれているので分かりやすい。
※12使徒のひとりヨハネは、別人である洗礼者ヨハネと区別するために「使徒ヨハネ」あるいは「福音記者ヨハネ」と呼ばれます。福音記者とは「ヨハネによる福音書」(第四福音書)の著者と言う意味です。
第四福音書の中に登場する「弟子たちの一人でイエスの愛しておられた者」が、その福音書の著者自身であり、使徒ヨハネであると信じられているからです。
「ヨハネによる福音書」から最後の晩餐の場面を引用します。
「…イエスはこう話し終えると、心を騒がせ、断言された。
『はっきり言っておく。あなたがたのうちの一人がわたしを裏切ろうとしている』
弟子たちは、だれについて言っておられるのか察しかねて、顔を見合わせた。
イエスのすぐ隣には、弟子たちの一人で、イエスの愛しておられた者が食事の席に着いていた。
シモン・ペトロはこの弟子に、だれについて言っておられるのかと尋ねるように合図した。
その弟子が、イエスの胸もとに寄りかかったまま『主よ、それはだれのことですか』と言うと、イエスは『わたしがパン切れを浸して与えるのがその人だ』と答えられた。
それから、パン切れを浸して取り、イスカリオテのシモンの子ユダにお与えになった。
ユダがパン切れを受け取ると、サタンが彼の中に入った。そこでイエスは『しようとしていることを、今すぐ、しなさい』と彼に言われた。
座に着いていた者はだれも、なぜユダにこう言われたのか分からなかった。
ある者は、ユダが金入れを預かっていたので『祭りに必要な物を買いなさい』とか、貧しい人に何か施すようにと、イエスが言われたのだと思っていた。
ユダはパン切れを受け取ると、すぐ出て行った。夜であった」
ヨハネによる福音書 (第四福音書)第13章より
日本聖書協会刊「聖書 新共同訳」
最後の晩餐の当事者の一人、ヨハネ(=イエスの愛しておられた弟子)自身による貴重な歴史的証言です。
残念ながら現代の聖書学では、この福音書の著者と使徒ヨハネは別人とされているのですが。
この場面の後、イエスは弟子たちと一緒に「キドロンの谷の向こう」の「園」または「オリーブ山」へ出かけ、一人捕らえられます。
アンドレア・デル・カスターニョは日本ではあまり馴染みの無い画家かも知れません。
彼のその他の代表作も見てみましょう。

「聖三位一体、聖ジェローラモ(ヒエロニムス)と二人の聖人」
1453年
サンティッシマ・アヌンツィアータ聖堂
The Holy Trinity, St Jerome and Two Saints
affresco
SS. Annunziata, Firenze
苦行者としての聖ヒエロニムスは、酷薄なまでの厳しい写実で表現されています。
上方の聖三位一体=父(主)と子(イエス)と聖霊(白い鳩で表される)=は短縮法(遠近法の一種)の好例です。
「それはじつに見事で短縮法もそれ以前の画家達がなしえなかったほど巧みに、いっそう現代的に扱っているゆえに、アンドレアは高い称賛に値するのである」(ジョルジョ・ヴァザーリ)。

「聖ユリアヌスとキリスト」
1453年
サンティッシマ・アヌンツィアータ聖堂
St Julian and the Redeemer
affresco
SS. Annunziata, Firenze
犯した罪を誠実に悔いる若者として描かれた聖ユリアヌスと祝福を与えるイエス。
聖人の左右にはトスカーナ風景。
貴族の家に生まれたユリアヌスが犯した罪は両親殺し。
両親を不審な侵入者と誤解した結果だったのですが、不幸な過失と片づけるには余りにも大き過ぎる罪です。
彼は城を出て、妻と共に旅人、貧しい人々、病人を献身的に看護する生涯を送ります。
この聖ユリアヌスを画家アンドレア自身と重ね合わせて、画家のある悔恨の念を読み取ろうとする見方があります。
それはひとつの伝説が作り出した先入観の故なのですが。
アンドレアには暗く陰鬱なイメージがつきまとってきました。
処刑された謀反人を描いて「首吊りのアンドレア」のあだ名で呼ばれたのはまだ少年時代のこと。
きわめつきは前出、ジョルジョ・ヴァザーリ Giorgio Vasari(1511-74)の「画家・彫刻家・建築家列伝」(Le vite de' piu eccelenti pittori, scultori e architettori 1550)。
「罪深き闇が人徳の輝きを覆い尽くした」冷酷な人間で、嫉妬心からライバルの画家、ドメニコ・ヴェネツィアーノ(Domenico Veneziano 1410-61)を殺害したとされています。
そのためアンドレアは残忍な殺人者と信じられていたのです。1878年、歴史家ガエターノ・ミラネージによって「ドメニコ殺人事件」の冤罪が晴らされるまで。
実はそれはもともと不可能な「事件」だったのです。
「被害者」ドメニコが死んだのは1461年。
「殺人者」アンドレアはすでにその4年前の1457年、フィレンツェで亡くなっていたのですから。
アンドレアの壁画で一番好きなのはこれ。

「ニッコロ・ダ・トレンティーノ騎馬像」
サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂(ドゥオーモ)、フィレンツェ
Monument to Niccolò da Tolentino
1456
affresco
833 x 512 cm
Duomo, Florence
ニッコロの大きな帽子と、優しい馬の目。
【info】
アンドレア・デル・カスターニョの「最後の晩餐」
フィレンツェ、サンタポッローニア修道院食堂
Cenacolo di Sant'Apollonia, Firenze
メディチ=リッカルディ宮殿脇のvia de Ginoriを北に進みます。
通りの名前がvia S. Galloに変わって、via ⅩⅩⅦ Aprileにぶつかる角にあります。
サン・マルコ広場の西側、すぐ側です。
見学は火曜~日曜の午前中。月曜と祝祭日は休み。
オーマイニュース その後
「イタリア発、『最後の晩餐』を鑑賞できない!?」を投稿した
「オーマイニュース」からメールが届きました。
と言う書き出しで「オーマイニュース」鳥越編集長名義のメールを、
そのまま転載していたのですが、やはり問題があるようで、
担当者の方からご指摘を頂きました。
そんなわけで「オーマイニュース」のサイトへはこちらから↓お願い致します。
http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=000000002371
ワインのおみやげ


前の記事へのコメントのお返事、ちょっとだけ書きました。…で、とりあえず帰国のご報告です。
東京に帰った日、徒歩5分のスーパーに立ち寄ったら閉店セール…のおかげもあって「何にも買えない病」は発症せず。
イタリアとの価格差に打ちのめされて、何も買えずに、とぼとぼ家に帰ったこともあったっけ。トマト1個が1kg分の値段だったりしたものだから。あの時代が懐かしい。
イタリアに戻ったら何にも買えないなんて事にもなりかねない昨今のEuro高。
ところで閉店のスーパー、徒歩0分、道を挟んだの向かい側にかねて建築中の大きな建物に移転するとの事。明後日からは開店セールでありがたいけれど、…いろいろ賑やかにもなるだろうな。
ちょっと絵本「ちいさいおうち」の心境。
これも噂の不均等バブル? まあフィレンツェだって郊外ならあり得る話ではありますが。
「ちいさいおうち」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4001105535
これはメイコが好きだった本
ところで
今回持ち帰ったワイン…
機関車トーマスみたいなラベル
“DIEVOLE RINASCIMENTO TOSCANO DI DIEVOLE TOSCANA 2003 IGT”
ラベルの顔はMAESTRO; Dino, Natale, Fulmine, Maurizio(担当親方:ディーノ、ナターレ、フルミーネ、マウリツィオ)の4氏。
VITIGNI ; Sangiovese, Canaiolo, Colorino, Foglia Tond, Ancellotta, Barsaglina
葡萄品種:サンジョヴェーゼ、カナイオーロ、コロリーノ、フォーリア・トンダ、アンチェロッタ、バルサリーナ
試飲済み;やや若さは残すものの、スミレとベリー類の素晴らしい香り、素直に美味しいワインです。
その左
“DIEVOLE LA VENDEMMIA 2003 CHIANTI CLASSICO DOCG”
VITIGNI ; Sangiovese, Canaiolo, Colorino, Foglia Tond, Ancellotta, Barsaglina
葡萄品種:当然サンジョヴェーゼ主体、混醸品種についてはラベル上不記載
試飲済み。バリック熟成を取り入れた新しい世代の模範的キアンティ。
以上、日本滞在中の自分用なので、かなりかたよったラインナップ。
いずれもキアンティ・クラシコ地区のスイス人経営(ドイツ人説も、未確認)の気鋭のファットリア「ディエヴォレ」の製品。〈生産者の顔が見える〉ワインを造っているわりにはどこか謎めいた印象もあって、当地では敬して遠ざけられている傾向も無きにしもあらず。でも有無を言わさぬ完成度と品質。謎めいたイメージづくりも戦略?
http://www.dievole.it/
一番左はトランジットでつい買ってしまったオーストリア、ミッテルブルゲンラントの赤
GESELLMANN 2004 OPUS EXIMIUM CUVÉE N17 ; St. Laurent und Zweigelt
葡萄品種:サン・ローラン、ツヴァイゲルト
ウィーン空港で試飲しましたが素晴らしいワイン。
オーストリアの赤ワインの実力にはいつも驚かされます。
魅力あるワインは値段もそれなりに高価なので飲む機会は多くはないですが。
おまけ
ワインの持ち込み。一人3本まで免税ですが、超過分は1本につき150円税金を払います。
課税カウンターの方が空いているのでスムーズに通関出来る場合が多いという余禄も。
冒頭のバッグは9本まで入ります。この状態で機内持ち込み。機内持ち込み手荷物は1個だけだし重さもけっこう厳しくチェックされますが、この状態だと経験上、大目に見てくれることが多いです。このバッグを見ると出国側のセーフティ・チェックの係官なども表情が和らいで、すっと通してくれる(場合もある)のも、もう一つの余禄。
展覧会のお知らせはこちら↓
http://blog.so-net.ne.jp/firenze/2006-09-26;jsessionid=D106A780F88415B9B9
Muguet(ミュゲ)展
10/2(月)-7(土) 日曜休廊
11:00-19:00 最終日10/7は17:00まで
Gallery Togeisha ギャラリー・トウゲイシャ
中央区銀座6-8-3尾張町ビル1F Tel:03-3571-6336
展覧会のお知らせ

前回と前々回の記事(もしかしたらその前も)に頂いているコメントへのお返事もまだですが、相変わらず(?)バタバタしています。明日早朝フィレンツェ空港を発って一ヶ月ほど帰国します。11/3に迫ったメイコの本の出版に向けて校正その他が主な目的ですが、洋一の展覧会もあります。
第3回 Muguet(ミュゲ)展
会期:2006/9/25月-10/7土
第一期 9/25月-30土
第二期 10/2月-7土 日曜休廊
11:00-19:00 最終日 9/30、10/7は17:00まで
会場:Gallery Togeisha ギャラリー・トウゲイシャ
中央区銀座6-8-3尾張町ビル1F
Tel:03-3571-6336
第一期はすでに始まっていますが、洋一が出品するのは第二期。一緒に出品するのは写実画壇展の友人たちです。人数は多く(各12人位)5号までの小品を各1点のみの出品です。
会期中は近くにいる(画廊は狭いためずっと中は無理)つもり です。御来場頂ける方はサイドバーのメールから予定をお知らせください。できる限りあわせます。
ところで洋一出品作品ですが、まだ完成写真がありません。冒頭の雑然とした写真がヒント(?)。