`The Decline' (NOFX)
ここのところ色々と忙しくて、またその無意味な忙しさが漠然とした未来への不安をかきたてるのだが、そういう時に聴きたくなる曲というものがいくつかある。ここ数日、ずうっと聴いているのがこれ。
これ、1曲しか入っていないシングルなのだけれども、その1曲がなんと18分という大作。パンクと言えば1~2分、というイメージを打ち破る凄い曲である。
曲の展開はスリリングでドラマチック。全速力で突っ走るかと思えば、静かにふと立ち止まり、叫ぶかと思えばささやくように歌う、というように、動と静を巧みに使い分けている。そして明るく、哀しく、切ないメロディーが激しく奏でられる。
私の能力では歌詞の世界を語ることはできない。もともと詩の解釈は難しいし、背景文化を知らなければ訳だって作れない。そこで、ここではNOFXの歌詞を訳しているnicopunkさん(「CRAZY ABOUT NOFX」) にリンクをはってしまおう。
The Decline
ここには怒りがある。我々を骨抜きにし、従順にさせ、銃を神聖化する社会への怒り。愛国心を煽り、真実と論理から我々を遠ざけ、人間らしく生きようとする願いを踏みにじるものへの怒り。江本勝が聴いたら即座に否定し崩れた水の結晶の写真を選ぶであろう怒りに満ち溢れている。
歌の中では何人かの具体的な人物が、どのように絶望に打ちひしがれていくかが描かれている。いま聴くと、派遣切りなどを思わず思い浮かべてしまう。
そのあたりはnicopunkさんの訳を見ていただくとして。
彼らがどのように世の中というものを見ているかがよくわかる一節を引用する。
このような政策を取る国は一体どういうことをやるのか?今回たまたま検索したところ、こんなビデオを発見した。
The Decline NOFX by Cesar Cepeda
Cesar Cepeda という人がどういう人なのかわからないけど(NOFXと仲の良いEnCerというバンドのメンバーのようだが、どうでしょう)、これは凄い(ライブ映像から入るけど、曲はライブじゃなくてスタジオ版。映像中の演奏が曲と合っていないのは御愛嬌)。挿入される映像が実に生々しいし、現実というものを思いおこさせてくれる。もしこの人がいま作り直すのであれば、ガザの状況は当然入るのだろう。
正視しがたい映像も中には含まれているが、時間があったら見ていただきたいと思う(当然18分あるのですが^^;;)。
ちなみにNOFXというバンドは "Rock Against Bush" というコンピレーションアルバムを作っていたり、結構政治的だ。だから、多分このビデオも容認されているのだろう。
もっとも、これが本来のロックの姿勢、スピリットだとも思う。世の中に対して、納得力を発揮して簡単に物事を受け入れるようではいけないのだ。おかしいものはおかしい、と言い続けなければ。
…なんだかとりとめもなくなってきた。
でもまあ、我々は、我々がいまいる地点から、自分で作った手書きの地図を頼りに、ただひたすら歩いていくことしかできないのだ。世の中色々な問題に溢れているけれども、自分のペースで、自分が通れる道を、とにかく歩いていくことしかできない。
ちゃんとした出来合いの地図を買えばいい、衛星写真を見ればどの道を通ればいいかなんてすぐわかる、という人がいる。そうかもしれない。しかし、残念ながら、我々は誰一人としてそんなものを持ち合わせてはいないんである。だから人と議論をし、みんなで考え、より精確な地図を、より広範囲をカバーできる地図を作るのだ。上空から見れば良いのだ、そうすれば自分が今いる位置なんていう特定の視点に縛られずに正しく地図がわかるだろう、と言うだけならば誰でもできる。じゃあやって見給えよ、と私は言い返すだろう。そして、どんなに精確な地図があったとしても、一体どっちの方向に進めばいいのか、それは地図は教えてくれない。いまここにいる我々が、いまここにいる地点から考えるしかないのだ。
我々が今まで通ってきた道から学び、我々がいまどこにいるのか、どこに向うべきなのかを見定め、そして一歩一歩、前へ前へと歩いていく。
のび太の先生も言っていただろう。
というわけで、色々宿題がたまってますが、明日からなんとかしていきたいなあ、と思っておりますので、しばしお待ちを。>関係各位 m(_ _)m
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これ、1曲しか入っていないシングルなのだけれども、その1曲がなんと18分という大作。パンクと言えば1~2分、というイメージを打ち破る凄い曲である。
曲の展開はスリリングでドラマチック。全速力で突っ走るかと思えば、静かにふと立ち止まり、叫ぶかと思えばささやくように歌う、というように、動と静を巧みに使い分けている。そして明るく、哀しく、切ないメロディーが激しく奏でられる。
私の能力では歌詞の世界を語ることはできない。もともと詩の解釈は難しいし、背景文化を知らなければ訳だって作れない。そこで、ここではNOFXの歌詞を訳しているnicopunkさん(「CRAZY ABOUT NOFX」) にリンクをはってしまおう。
The Decline
ここには怒りがある。我々を骨抜きにし、従順にさせ、銃を神聖化する社会への怒り。愛国心を煽り、真実と論理から我々を遠ざけ、人間らしく生きようとする願いを踏みにじるものへの怒り。江本勝が聴いたら即座に否定し崩れた水の結晶の写真を選ぶであろう怒りに満ち溢れている。
歌の中では何人かの具体的な人物が、どのように絶望に打ちひしがれていくかが描かれている。いま聴くと、派遣切りなどを思わず思い浮かべてしまう。
そのあたりはnicopunkさんの訳を見ていただくとして。
彼らがどのように世の中というものを見ているかがよくわかる一節を引用する。
Don't think (Stay)
Drink your wine (Home)
Watch the fire burn (Be)
His problems not mine (Safe)
Just be that model citizen
考えるな(そこにいろ)
ワインを飲め(家で)
火事が燃えるのをみていろ
他人の困った問題は自分には関係ない(安全に)
市民の手本になれ (訳はnicopunkさんによる)
まさに愚民化教育、小市民化教育であり、人々を分断させ、自分のこと、目の前のことだけを見させるようにするもので、日本でもこの20年来着々と財界が目論んできたもの だ。支配層が考えることはどこも同じである。
似たような、しかしより深い問題も指摘する。
そう、往々にして、我々は真実よりも都合の良い嘘を好んでしまう。このブログで継続的に取り上げているニセ科学はまさにその典型で、話が単純であり、考えることをやめれば、それは至福となる。無論、これはニセ科学に限らない。というよりも、これははるかに根深い問題だ。『信じぬ者は救われる』でも触れられていたが、例えば小泉の郵政「改革」選挙。単純な嘘に人々は至福(へ至る道)を感じ、投票した。この社会の、ずっと根深い問題-そしてそれはどこの国でも同様だ。具体的な表われ方が違うだけで-の一つの「現象」として、ニセ科学問題があるに過ぎない(逆に言えば、ニセ科学問題を通じてこの社会の本質が見えてくる、という言い方もできるのだが)。And so we go, on with our lives
We know the truth, but prefer lies
Lies are simple, simple is bliss
そして人生を生き続ける
真実を知っているけれど、嘘のほうを好む
嘘は単純で 単純は至福だ
このような政策を取る国は一体どういうことをやるのか?今回たまたま検索したところ、こんなビデオを発見した。
The Decline NOFX by Cesar Cepeda
Cesar Cepeda という人がどういう人なのかわからないけど(NOFXと仲の良いEnCerというバンドのメンバーのようだが、どうでしょう)、これは凄い(ライブ映像から入るけど、曲はライブじゃなくてスタジオ版。映像中の演奏が曲と合っていないのは御愛嬌)。挿入される映像が実に生々しいし、現実というものを思いおこさせてくれる。もしこの人がいま作り直すのであれば、ガザの状況は当然入るのだろう。
正視しがたい映像も中には含まれているが、時間があったら見ていただきたいと思う(当然18分あるのですが^^;;)。
ちなみにNOFXというバンドは "Rock Against Bush" というコンピレーションアルバムを作っていたり、結構政治的だ。だから、多分このビデオも容認されているのだろう。
もっとも、これが本来のロックの姿勢、スピリットだとも思う。世の中に対して、納得力を発揮して簡単に物事を受け入れるようではいけないのだ。おかしいものはおかしい、と言い続けなければ。
…なんだかとりとめもなくなってきた。
でもまあ、我々は、我々がいまいる地点から、自分で作った手書きの地図を頼りに、ただひたすら歩いていくことしかできないのだ。世の中色々な問題に溢れているけれども、自分のペースで、自分が通れる道を、とにかく歩いていくことしかできない。
ちゃんとした出来合いの地図を買えばいい、衛星写真を見ればどの道を通ればいいかなんてすぐわかる、という人がいる。そうかもしれない。しかし、残念ながら、我々は誰一人としてそんなものを持ち合わせてはいないんである。だから人と議論をし、みんなで考え、より精確な地図を、より広範囲をカバーできる地図を作るのだ。上空から見れば良いのだ、そうすれば自分が今いる位置なんていう特定の視点に縛られずに正しく地図がわかるだろう、と言うだけならば誰でもできる。じゃあやって見給えよ、と私は言い返すだろう。そして、どんなに精確な地図があったとしても、一体どっちの方向に進めばいいのか、それは地図は教えてくれない。いまここにいる我々が、いまここにいる地点から考えるしかないのだ。
我々が今まで通ってきた道から学び、我々がいまどこにいるのか、どこに向うべきなのかを見定め、そして一歩一歩、前へ前へと歩いていく。
のび太の先生も言っていただろう。
目が前についているのはなぜだと思う?(資料がすぐに出てこなかったので記憶で書いてます。資料って原作のことだけど。違ってたらすいません。発見したらこっそり修正します)
前へ、前へと進むためだ! (「ジーンと感動する話」ドラえもん)
というわけで、色々宿題がたまってますが、明日からなんとかしていきたいなあ、と思っておりますので、しばしお待ちを。>関係各位 m(_ _)m
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