2020年8月23日に、河野太郎防衛大臣が配信した『河野太郎のLIVE配信】河野太郎と語ろう』が話題となった。(現在はアーカイブ化されている)

KonoTaroGomame(2020.08.23)

河野太郎のLIVE配信】河野太郎と語ろう

 

この動画の44:26~52:07辺りで、「女系天皇をどう思っているんですか?」という視聴者からの質問に対して、河野氏がご自身の考えを述べたわけだが、それに対して多くの保守派から批判が浴びせられた。

 

案の定、産経新聞もこのような記事を出してきた。他の新聞社も。

・産経新聞(2020.08.23)

河野防衛相が女系天皇容認論 次の天皇「内親王のお子さまも」

 

記事タイトルには「女系天皇容認論」とあるが、結果として、この言葉が一人歩きしている印象だ。タイトルに相当の悪意があると言っていい。

 

で、これに脊髄反射で批判を浴びせている連中は、いつもの如く、タイトルしか見ていない可能性がある。相変わらずマスコミに踊らされている。

 

 

 

●河野氏の皇室関連のブログ

 

河野氏は、2016年10月に、自身の公式サイトのブログで、皇位継承問題について書いた事がある。

・衆議院議員 河野太郎公式サイト

皇室の危機を回避する

皇別摂家

このブログを見た人たちがどのように捉えたのかはわからぬが、「河野太郎は女系天皇容認派だ!」というのが超男系派(厳格な男系論者)や多くの保守派の間での共通認識となっているようだ。

 

 

だがしかし、私がそのブログを見た感じでは、河野氏は女系天皇推しというわけではないと思ったがね。

 

あくまでも、「男系でやっていくのが一番望ましい」という大前提の上で、それでも万が一の時のために、理想論ではなく、現実的に起こりうる、ありとあらゆる場面も想定しなければならないという事で、いくつかある考え方をそれぞれの視点から問題提起して議論していく事は必要である…と訴えているように感じたがね。

 

先日のライブ配信や2016年のブログをちゃんと見た人ってどれくらいいるんや???

 

河野氏のツイッターのリプ欄には、振り切れまくった超男系派で溢れ返っているわけだが、「男系を維持できるものならば、それに越したことはない」という大前提を無視している反論リプライが目立ちすぎる。

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どれだけ丁寧に分かりやすく説明したところで、バカはそもそも話を何も聞いていませんって事で、そこんとこはパヨクと一緒だなwww

 

河野氏は、上記の大前提を第一としている時点で、少なくとも、ソフトな男系派なのだろう。

 

 

そして、先日のライブ配信を踏まえて、新たにブログ化された。

・衆議院議員 河野太郎公式サイト

皇統の議論

 

ココでも、振り切れまくった超男系派がリプ欄で暴れまくっている。

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●日本国憲法と皇室典範

 

「天皇」や「皇室」に関わる条文。

「日本国憲法」は憲法。

「皇室典範」は天皇・皇族・皇室に関する法律。

・首相官邸

皇室の構成

 

これらに記してある事が大前提となり、記されていない事をしようと思ったら、本則を改正するか、別途「特例法」を設ける事になるだろう。

 

例えば、「退位・譲位」は、皇室典範には記されていなかったが、「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」という「特例法」を設けた事によって、現・上皇陛下(第125代天皇)の退位・譲位が実現された。

 

 

 

●次世代の男性皇族は悠仁親王殿下のみ

 

現在、次世代の男性皇族は、悠仁親王殿下おひとりしかいない。

 

という事は、現実的な話、何十年か先の未来において、男系男性で継承し続けられる可能性は五分五分なのではないか?と思う人がいても全く不思議ではない。

 

そりゃあ、悠仁親王→息子→息子→息子→息子→息子→息子→息子→…
男系男性で継承していけるのが一番良いに決まってる。
それくらい誰にだってわかる話だ。

だがしかし、実際に言うほどうまく簡単に継承し続けられるのか?

 

 

例えば、男兄弟が3人いて、彼らのそれぞれの子供が全員女の子あるいは子供無しなら、その時点でいわゆる「男系血筋」は途絶える事になる。男兄弟3人のところでもそうなる可能性があるのだから、1人なら尚更だ。

 

…という事で、河野氏がブログで指摘しているのはまさにそういうところなのでは?

 

 

●皇籍離脱者子孫の皇籍取得を成すにはブ厚く高い壁が立ちはだかる

 

私個人的な考えは、過去のMYブログでも触れている通り。


「男系」「女系」「雑系」とは何か?マンガで例えてみた。

https://ameblo.jp/firebird-1090/entry-12462062203.html

【皇室】皇位継承について考えてみる

https://ameblo.jp/firebird-1090/entry-12462062232.html

皇位継承について改めて考えてみる+α

https://ameblo.jp/firebird-1090/entry-12574491983.html

 

あくまでも個人的な考えです。

 

女性天皇(内親王や女王が天皇になる)…△

女性宮家…×

・いわゆる「女系天皇」…×

 

・「皇籍離脱者」本人(11宮家51方)の皇籍復帰…○

・「皇籍離脱者の男系男性子孫」の皇籍取得(もしくは養子)…○

・「皇籍離脱者の男系女性子孫」の皇籍取得(もしくは養子)…×

 

・皇籍取得した「皇籍離脱者の男系男性子孫」と女性皇族(内親王・女王)との婚姻…○

・皇籍取得した「皇籍離脱者の男系男性子孫」と民間女性との婚姻…×

 

・皇籍取得した「皇籍離脱者の男系男性子孫」本人が皇位継承候補に加わる…×

・皇籍取得した「皇籍離脱者の男系男性子孫」と女性皇族との間に誕生した男子が皇位継承候補に加わる…○

 

クドイようですが、あくまでも個人的な考えにすぎません。

 

 

 

では、皇籍離脱者(旧宮家、旧皇族)の子孫が皇籍取得すれば、それで全てが丸く収まるのか? と言われたら、そうはならないとも思っている。

 

皇籍離脱者子孫を皇籍取得させたところで、言い方は悪いが「スペア」が少し増えるだけで、単に問題を先送りにしているだけのようにも思える。安定的な男系継承に繋がるとは言い切れない。昔は側室制度があり、それによって安定を図っていたようだが、今は無い。

 
 
それに、超男系派は脊髄反射で皇籍離脱者子孫の皇籍取得を大声で叫ぶが、それを成すには様々なハードルを越えなければならない。現実として、ブ厚く高い壁が立ちはだかっているのだ。

 

 

少し考えただけでも、これだけの壁がある。

 

 ・女性皇族のお気持ち
 ・「皇室離脱者」や「皇室離脱者子孫」のご意向

 ・皇室典範の改正(皇籍取得なら第15条、養子なら9条も)
 ・日本国憲法の改正(第14条)

 ・国民のコンセンサスを得られるか(日本国民の総意)

 

 

果たして、これだけの壁をどのようにして乗り越えていくつもりなのか?
 
 

超男系派からは、そのビジョンが全く見えてこない。ヤツらの主張する事といったら、ナントカの一つ覚えみたいに、「2000年続いてきた今の王朝から、全く違う王朝になって日本が終わる」だの「Y染色体云々」だの「旧宮家を皇籍に復活させたら解決!」だのと、ドヤ顔で言ってくる…。

 

 

っていうか、勝手に日本を終わらすなよwwwww
 

Y染色体については、生物学的参考にはなっても、天皇家の男系であるという正当性を示すものにはならない。遺伝子とは突然変異する事もあるらしいよ。

パヨクから「証拠を出せ!」と言われて血液を調べたとして、もし違っていたらどうするの?w

 

 

超男系派の連中みたいに、男系ばかりに固執していたら、それこそ気が付いたら男系男性がいなくなって皇室そのものが断絶……なーんて事になってしまうかもしれない…。それこそ本末転倒というもの。

 

何よりもヤツらは、当事者の方々のお気持ちやご意向を全く無視している。

 

「皇室そのものの存続」が大前提。これを忘れてはいけないと思うね。

 

 

次に、法律(皇室典範)の観点から見ると、

 

皇籍離脱者子孫に皇籍取得させるなら、皇室典範第15条の改正が必要。

 →現行では、皇族以外の男性は皇族になる事ができないため。

 

皇籍離脱者子孫を養子としてお迎えするなら、皇室典範第9条の改正も必要。

 →現行では、養子をする事ができないため。

 

 

更に、日本国憲法の観点から見ると、第14条に、
すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
とある。
 
つまり、天皇家の男系血統がある"親戚"とはいえ、民間生まれ民間育ちの100%民間の一般国民である「皇籍離脱者子孫」を、政府が特例法として皇籍を取得させるのは、門地(家柄)による差別なのではないか?という疑問。しかも、男系「男性」に限るとなると、性別による差別なのではないか?と言い出す人もいるだろう。
 
政府(民間人)が、「皇籍離脱者の男系男性子孫」(民間人)に、皇室の籍(皇籍)を与える。そこに疑問が湧き上がってもおかしくないと思うよ。
 
天皇・皇族・皇室に関しては、日本国憲法や皇室典範にはっきりと明記がある以上、日本にとって最重要な存在であるわけで、皇室に「皇籍離脱者の男系男性子孫」(民間人)を迎え入れるというのであれば、当然ながら国民には知る権利がある。
 
 
そして、憲法改正となると、衆議院・参議院それぞれの総議員の3分の2以上の賛成で国会が発議し、国民投票においてその過半数の賛成が必要となる。

 

 

何にしても、一部の超男系派や保守連中が思っているほど単純な話ではないのだよ。

 

 

●皇籍離脱者子孫が皇籍取得できても問題点は山積み

 

では、超男系派のお望み通り、皇籍離脱者の男系男性子孫が、皇籍取得もしくは養子で皇室入りできたとしよう。


(1)皇室入りした「皇籍離脱者の男系男性子孫」本人の婚姻のお相手は、女性皇族のお方?それとも民間女性を皇室に嫁がせる?

 →前者の場合、女性皇族のお気持ちはどうなのですか?

 →後者の場合、皇室の中で民間出身(民間生まれ民間育ち)同士のカップルが誕生する事になる。やがてそのカップルに男の子(男系男性)が誕生して、将来の天皇になったら、その天皇の御両親とも民間出身者になりますよね。

 

(2)皇室入りした「皇籍離脱者の男系男性子孫」本人は、天皇もしくは皇位継承候補になれるのか?

 →皇籍離脱者の男系男性子孫本人は、あくまでも民間出身(民間生まれ民間育ち)という事を忘れてはならない。

 

 

と、こんな感じで、新たな議論が発生する事になり、問題点が次々と浮かび上がってくる事は予想できる。

 


●日本国民は、皇室のどんなところに尊敬や親しみを感じるのか?

 

神武天皇の男系血筋だから?

神武天皇のY染色体という遺伝子があるから?

私は違うと思いますね。そんなふうに考えている一般国民なんて、超男系派を除けばほとんどいないと思うけどw

 

皇室の方々がどんなお気持ちで国民に寄り添ってこられたか。

時には国民を勇気づけ、時には国民を励まし、時には国民を癒してこられた。

 

そのお姿を見て感動してきたからこそ、皇室に対して尊敬や親しみを感じている人が多いのではないか。

 

 

●日本国民は、「皇籍離脱者子孫」や「男系ではない天皇」をどう思うか?

 

国民の多くが尊敬や親しみを感じている皇室に、ある日、「皇籍離脱者子孫」と名乗る人物が「私は天皇家の血を引く者です。」と、国民の前に現れた時、国民はその人に対して尊敬や親しみを持つ事ができるのか?

 

おそらく、できないと思います。戸惑いの声があってもおかしくない。

 

その理由として、「皇籍離脱者」の存在そのものを知らない人が多い事と、「女性天皇女系天皇の違い」が分からない人が多い事が挙げられる。

 

「竹田恒泰?誰ソレ???」

「愛子さまの子が次世代の天皇になって何が問題なんや?」

…と思う人が多くいても何ら不思議ではないと思うし、おそらく、それが現状の多数派だろう。

 

つまり、愛子さまに尊敬や親しみを感じる人は多くいても、竹田恒泰(竹田宮男系男性)みたいな皇室芸人にそれらを感じる人はいないという事。

 

現実なんて、そんなもんだよ。残念ながら。

 
 
 
となると、皇籍離脱者も女系天皇も広く周知されていない現状において、「皇籍離脱者子孫の皇籍取得」という考え方は国民のコンセンサスを得る事は到底できず、日本国憲法第1条にある「日本国民の総意」に基づかない事になってしまうのではないか。

 

「日本国民の総意」に基づかない皇位継承は、皇室離れや無関心を引き起こし、皇室の根幹を揺るがし、やがてそれは国体の維持にも大きく影響するだろう。

 

 

 

では、皇籍離脱者子孫の存在や女系天皇の意味を多くの国民に広く周知させるにはどうしたらいいか?
 
国民に開かれた冷静かつ建設的な議論をしていくしかないだろうよ。
 
そこには様々な意見があるし、いろんな見方もある。皇室に関する知識や情報量の多さも違うだろう。
 
結論が出るにしても、かなりの時間がかかると思うし、議論しても結論は出ないかもしれない。
 
「悠仁さまがいらっしゃるのに、今、"もしも"の話をするのは不敬で失礼だ!」などと言っている限り、開かれた議論は全く進まないし、一般にも浸透しないだろう。
 
待ったなしと言われる皇位継承問題において、足を引っ張っているのはパヨクではなく超男系派の連中だろう。
 
 
●最終的には皇室の方々にお決めいただくのが一番なのではないか。
 
国民に開かれた冷静かつ建設的な議論をしたところで、おそらく結論は出ないと思う。あくまでも個人的予想だが。
 
となると、最終的には、皇室典範を皇室にお返しした上で、皇室の存続については皇室の方々がお決めいただく、という考えに帰結していくのではないか。
 
皇室の方々がお決めになった事であれば、私はそれに何ら異論はありません。

 

 

 

●河野氏の言った「1400年代(600年前)に分かれた人」とは?

 

ところで、河野氏がライブ配信で言った「1400年代(600年前)に分かれた人」というのは、「伏見宮」の事である。

 

現皇室と皇籍離脱11宮家の男系共通祖先は、「伏見宮貞成親王」(1372生~1456没)にまで遡る。

皇籍離脱11宮家の源流となるのが「伏見宮邦家親王」(1802生~1872没)である。

これはググればすぐにわかる事。

 

 

だが、以下のようなトンチンカンな事を言っている恥ずかしい"自称"ジャーナリストたちがいるらしいwww

 

 

1400年代に分かれた旧宮家の男系男性子孫なら、貴女のすぐ近くにおるやんけwww

 

 

 

勉強不足なのはおまえらじゃwwwww

 

相変わらず、虎ノ門ニュースは振り切れまくったバカ連中を煽るしか脳がありませんねwww

 

 

 

そして、旧宮家を無駄に汚して貶めているのは他の誰でもなく、この皇室芸人自身だろw

 

 

 

●分かった事

 

河野氏のライブ配信やブログの皇室関連の内容は批判に満ち溢れているが、その理由は、総理総裁候補と目されている河野氏を叩くためなのではないか、河野氏に総理大臣になられたら大変お困りになる勢力がいるのではないか、と。

 

現に、ビジネス保守連中も「河野太郎は女系天皇容認派」などという、実際の河野氏の考えとは異なるレッテルを貼って批判を展開しているではないか。

 

アベ政治の下、外務大臣・防衛大臣と経ている時点で、アベが河野氏を後継にしたいと思っている確率は低くない。国家運営に最も必要な外交や安全保障のノウハウを地道に身に付けてきた。いずれ、パヨクたちからも何らかの形で貶められる可能性は十分にあるだろうね。

 

 

初当選した時から、「いずれ総理大臣になりたい」と思い続けてきた河野氏であるが、次の自民党総裁選挙はどうなるか?

 

私は一自民党員として注目していきます。